一の鳥居までの長い林間の急坂、そして横瀬まで歩き 武甲山(完結編)
- 2022/05/31
- 05:15
頂上広場を後にしたのは9時40分。下りは一の鳥居のある生川(うぶがわ)まで歩く。
生川の読み方はよく分からなかったが、いろいろ調べると「うぶがわ」のようだ。土地の人だといちいち言われなくても分かるだろうが、どこにもフリガナが振っていない。素人には分からないので、これまで「いくかわ」と読んでいた。
生川方面への登山道は神社の表参道となり、頂上からすぐに折れる。かつては分岐点から下りる「階段ルート」というのもあったらしいが、現在では崩落して廃道となっている。
表参道が参拝のメインルートであることから、丁石があって残り距離の目安になる。頂上に近い場所で見たのは「五十一丁目」。コースタイムからすると2時間ほどで下りられる見当である。
しかし、スイッチバックの急坂が続く上に地面がぬかるんで滑るのでスピードが出ない。四十丁目までで30分かかり、大杉の広場のある三十三丁目付近に着いた時には1時間経過していた。
このペースだと2時間半はかかりそうだ。展望もきかないし林間を下るだけなので面白くない、下はぬかるみか、さもなければ岩。いずれにしろ油断すれば転倒してケガ必至である。
大杉の広場では、ちょうど登ってきた騒がしいシルバーグループがいたのですぐに出発。さらに下る。二十丁台の中盤でようやく路面が歩きやすくなったが、今度は傾斜がきつくなっていずれにしてもスピードは出ない。
驚いたのは西武鉄道の案内図にも載っている「十八丁目の水場」である。何やら焼酎のペットボトルが大量に置いてある。水をすくって飲んでみると、生温かい。生温かい湧き水など聞いたことがない。
見えにくい場所にある立札を読んでみると、頂上トイレに使うので、登山者はペットボトルに入れて水を持って上がってくれと書いてある。なんと、トイレ用の水源だったのだ。よく見ると、流れている滝から直接飲み口に来ているように見える。これが水場なら、沢はすべて水場だろうと思う。
十丁目以降はコンクリの急坂で、一の鳥居に着いたのは頂上から2時間ちょっとの11時45分。後半は大幅に時間短縮できたようだ。トイレが工事中で、駐車場も半分使えなくなっていて、工事業者なのか登山者なのか、路肩にたくさん車が停まっていた。
一の鳥居から横瀬駅までは約2時間と思っていたので、ゆっくり歩いても予定した1本前の2時28分の特急に間に合いそうだと思っていて、コンクリ工場のあたりで時計を見るとまだ12時10分だった。
これならもう1本前に間に合うんじゃないかと思って飛ばし、1時間半ほどで横瀬駅着。1時28分の特急に乗ることができた。セメントを運ぶトラックのためと思われるが、路面がたいへんよかったのに助けられた。4時過ぎには家に帰ることができた。
-------------------------------------
という訳で、スケジュール的にはたいへんうまく行って、翌日以降も少し腰が痛いのと花粉症の発作がおこったことを除けば標高差1000mを久々に登った影響はなかったのだけれど、正直言って山としてはあまり面白くなかった。(前回までの書きぶりで見当がつかれたかと思う)
というのも、長者屋敷の頭くらいから一の鳥居に下山するまで、ほとんど展望がなくて、ただただ急坂を登り下りするだけの山だったのである。
もっとも興ざめしたのは、頂上に着いてもほとんどの部分は立入禁止のフェンスが張られていて、山名標のある一角はほんの申し訳程度の広さしかなかったことだ。田中陽希とNHKスタッフもかなり困ったと思われる。
フェンスは危険防止のためであり、展望台もわれわれの好意であると言いたいのだろうが、秩父市内への展望もフェンスが邪魔をするし、見晴らしがいい場所は採掘場で立入禁止である。
山頂の御嶽神社は、秩父夜祭が行われる神社である。秩父夜祭はカネ儲けになるから盛大にやって、本来お祀りするはずの武甲山(ご神体は武甲山そのものである)が破壊されてしまうというのは、何かおかしい。横瀬駅までの帰路で次々とセメント工場の横を通り過ぎながら、そんなことを思った。
この日の経過
ファミリーロッジ旅籠屋(234) 5:05
5:25 浦山口駅前(248) 5:30
6:35 丸太の橋(557) 6:40
7:55 長者屋敷の頭手前(912) 8:15
9:25 武甲山(1304) 9:40
10:35 大杉の広場(1034) 10:35
11:45 一の鳥居(566) 11:45
13:15 横瀬駅(256)
[GPS測定距離 17.4km]
追記:私が登ったすぐ後、YouTubeのかほちゃんが武甲山に登った動画がupされていた。一の鳥居までタクシーで、私とは逆回りでしたが、トイレ用ペットボトル満載の水場もちゃんと紹介してました。
p.s. 「中高年の山歩き」、バックナンバーはこちら。

生川(うぶかわ)方面への登山道は神社の表参道となり、頂上からすぐに折れる。採掘が進めば、おそらく表参道以外から武甲山に登ることはできなくなるだろう。

麓まで五十二の丁目石があり残り距離が分かるのはいいが、杉木立の急坂、しかも路面がどろどろで滑りやすい。こういう景色が2時間続くのであまり楽しくない。

一の鳥居からは舗装された林道。途中からセメント工場が続き、武甲山を崩してトラックで運び出している。トラックが通るからか道路は整備されていて、横瀬駅まで1時間半で着いた。
生川の読み方はよく分からなかったが、いろいろ調べると「うぶがわ」のようだ。土地の人だといちいち言われなくても分かるだろうが、どこにもフリガナが振っていない。素人には分からないので、これまで「いくかわ」と読んでいた。
生川方面への登山道は神社の表参道となり、頂上からすぐに折れる。かつては分岐点から下りる「階段ルート」というのもあったらしいが、現在では崩落して廃道となっている。
表参道が参拝のメインルートであることから、丁石があって残り距離の目安になる。頂上に近い場所で見たのは「五十一丁目」。コースタイムからすると2時間ほどで下りられる見当である。
しかし、スイッチバックの急坂が続く上に地面がぬかるんで滑るのでスピードが出ない。四十丁目までで30分かかり、大杉の広場のある三十三丁目付近に着いた時には1時間経過していた。
このペースだと2時間半はかかりそうだ。展望もきかないし林間を下るだけなので面白くない、下はぬかるみか、さもなければ岩。いずれにしろ油断すれば転倒してケガ必至である。
大杉の広場では、ちょうど登ってきた騒がしいシルバーグループがいたのですぐに出発。さらに下る。二十丁台の中盤でようやく路面が歩きやすくなったが、今度は傾斜がきつくなっていずれにしてもスピードは出ない。
驚いたのは西武鉄道の案内図にも載っている「十八丁目の水場」である。何やら焼酎のペットボトルが大量に置いてある。水をすくって飲んでみると、生温かい。生温かい湧き水など聞いたことがない。
見えにくい場所にある立札を読んでみると、頂上トイレに使うので、登山者はペットボトルに入れて水を持って上がってくれと書いてある。なんと、トイレ用の水源だったのだ。よく見ると、流れている滝から直接飲み口に来ているように見える。これが水場なら、沢はすべて水場だろうと思う。
十丁目以降はコンクリの急坂で、一の鳥居に着いたのは頂上から2時間ちょっとの11時45分。後半は大幅に時間短縮できたようだ。トイレが工事中で、駐車場も半分使えなくなっていて、工事業者なのか登山者なのか、路肩にたくさん車が停まっていた。
一の鳥居から横瀬駅までは約2時間と思っていたので、ゆっくり歩いても予定した1本前の2時28分の特急に間に合いそうだと思っていて、コンクリ工場のあたりで時計を見るとまだ12時10分だった。
これならもう1本前に間に合うんじゃないかと思って飛ばし、1時間半ほどで横瀬駅着。1時28分の特急に乗ることができた。セメントを運ぶトラックのためと思われるが、路面がたいへんよかったのに助けられた。4時過ぎには家に帰ることができた。
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という訳で、スケジュール的にはたいへんうまく行って、翌日以降も少し腰が痛いのと花粉症の発作がおこったことを除けば標高差1000mを久々に登った影響はなかったのだけれど、正直言って山としてはあまり面白くなかった。(前回までの書きぶりで見当がつかれたかと思う)
というのも、長者屋敷の頭くらいから一の鳥居に下山するまで、ほとんど展望がなくて、ただただ急坂を登り下りするだけの山だったのである。
もっとも興ざめしたのは、頂上に着いてもほとんどの部分は立入禁止のフェンスが張られていて、山名標のある一角はほんの申し訳程度の広さしかなかったことだ。田中陽希とNHKスタッフもかなり困ったと思われる。
フェンスは危険防止のためであり、展望台もわれわれの好意であると言いたいのだろうが、秩父市内への展望もフェンスが邪魔をするし、見晴らしがいい場所は採掘場で立入禁止である。
山頂の御嶽神社は、秩父夜祭が行われる神社である。秩父夜祭はカネ儲けになるから盛大にやって、本来お祀りするはずの武甲山(ご神体は武甲山そのものである)が破壊されてしまうというのは、何かおかしい。横瀬駅までの帰路で次々とセメント工場の横を通り過ぎながら、そんなことを思った。
この日の経過
ファミリーロッジ旅籠屋(234) 5:05
5:25 浦山口駅前(248) 5:30
6:35 丸太の橋(557) 6:40
7:55 長者屋敷の頭手前(912) 8:15
9:25 武甲山(1304) 9:40
10:35 大杉の広場(1034) 10:35
11:45 一の鳥居(566) 11:45
13:15 横瀬駅(256)
[GPS測定距離 17.4km]
追記:私が登ったすぐ後、YouTubeのかほちゃんが武甲山に登った動画がupされていた。一の鳥居までタクシーで、私とは逆回りでしたが、トイレ用ペットボトル満載の水場もちゃんと紹介してました。
p.s. 「中高年の山歩き」、バックナンバーはこちら。

生川(うぶかわ)方面への登山道は神社の表参道となり、頂上からすぐに折れる。採掘が進めば、おそらく表参道以外から武甲山に登ることはできなくなるだろう。

麓まで五十二の丁目石があり残り距離が分かるのはいいが、杉木立の急坂、しかも路面がどろどろで滑りやすい。こういう景色が2時間続くのであまり楽しくない。

一の鳥居からは舗装された林道。途中からセメント工場が続き、武甲山を崩してトラックで運び出している。トラックが通るからか道路は整備されていて、横瀬駅まで1時間半で着いた。