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目標を立てない方がストレスが少ない ~年金生活雑感

ラマチャンドラン先生の脳に関する本を読んでいたら、何かの問いに答えを出すことそのものが脳にとって快感だと書いてあった。

だから、ウォーリーを探せとかクロスワードパズルとかを解くのが脳は大好きだし、答えを出せなくても部分的にでも分かれば楽しい。これは、かつて類人猿であった時代に木々の隙間から食糧や外敵を見分けたので、脳がその方向に進化したという。

人間や類人猿でなくても、鳥でも動物でも視界にないところに何がいるかは推測しているような気がするが、視野も限られて嗅覚も鋭くない人間が、断片的な情報からいろいろな可能性を推測するに至ったのはありそうなことである。

そこで一歩進めて考える。目標を立てるということはおそらく人間にしかできないことで、猛獣でも腹いっぱいになればそれ以上狩りはしない。犬は余分の食糧を隠しておくが、自分の隠した場所を得てして忘れてしまう。猫は将来のことを決して考えない。

だから目標を立てることは大したことなのだが、一度そうすると、達成できたらうれしい反面、できなかった場合ストレスが大きい。目標を立てたばかりにストレスの素となるのは、考えてみれば本末転倒である。

目標を立てるのは、一定の期限内にしなければならないことをスケジューリングすることだと思っている。夏休みの宿題を8月31日までやっていなければ、悲惨な状況となる。

つまり、大きなストレスを避けるために小さなストレスをいくつか容認して、それをクリアすることで悲惨な状況にならないようにすることである。だから、小さなストレスで悲惨な状況になるとすれば、目標を立てても立てなくても結果は一緒である。

小さい頃は、夏休みの宿題をやらなければ先生に怒られるし同級生には白い目で見られるし、仲間外れになるかもしれないと思った。でも今思うと、宿題なんてやらなくても大したことはなかったんだろう。

同様に、つつがなく年金生活を送るために資金計画やら何やら目標を立てて暮らしてはいるものの、それ自体ストレスの素となるような気がしないでもない。

毎日体を動かすとか酒は続けて飲まないという目標だって、続けるとストレスになる。体によかれと思ってしていることが、病気の原因になりかねないのである。

いま取り組んでいる糖質制限も、体重を10kg以上落とせたという実績があり体も脳も喜んでいると思うけれども、シェイプアップやダイエットそのものが目的ではない。あと△kg落とそうなんて思うこと自体がストレスになる。

もう65歳を過ぎて、いよいよお迎えが遠くない時間になりつつある。細かく目標を立てなくても、普通に生活できるようなメンタルを身に付けたいものである。

p.s. 年金生活のバックナンバーはこちら

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脳は課題を与えられると、それを快感ととらえるよう進化した。だから一度目標を立てると、そのこと自体がストレスになる。目標など立てない方が心と身体にやさしいかもしれない。

プロフィール

taipa

Author:taipa
 

6年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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