FC2ブログ

記事一覧

「海賊うどん」でお昼の後、菊間を歩いて考えさせられる 五十四番延命寺(その3)

鎌大師からさらに坂道を登る。頂上付近は社会福祉施設になっていて、そこには「トイレお使いください」とうれしいことが書いてある。しばらく平らな道の後は下り坂で、そこにも遍路休憩所があった。ここは海に向かって開けていて、鎌大師に続いて再び腰を下ろし景色を楽しむ。峠道を選んだ甲斐があった。国道ではこうはいかなかった。

休憩所からはたいへん傾斜の急な坂道を下り、人里に下りる。真念「道指南」のあさなみ(浅海)村で、江戸時代にはここに番所があった。つまり、松山藩と今治藩の境ということである。この浅海を歩いていたら、農作業中のおばさんから「お接待」と収穫中のいよかんを2ついただいた。今回の区切り打ちで初、久々のご接待であった。

再び国道196号と合流する。もう11時なのでお昼にしていい時間だが、果たして「海賊うどん」はやっているだろうか。江戸時代と同様、今日でも松山市と今治市の市境となっている海沿いの国道を進んでいくと、海に突き出した建物が見えてきた。

すぐ近くまで行くと、ちょうど店のおばさんが暖簾を出しているところだった。よかった。やっている。「いいですか」と店の中に入る。もちろん最初の客で、食べ終わるまで私ひとりしかいなかった。

メニューを見て、せっかくなので一番高い「海賊うどん」をお願いする。この海賊うどん、他のメニューでトッピングされる肉、えび天、油揚げ、天かす、とろろ昆布、わかめなどが舟型の器にすべて乗ってくる豪華版で、これで700円である。おまけに、おいなりさんを1つご接待していただいた。続けてのご接待、たいへんありがたい。

おばさんが一人でやっているお店で、かつ開店して早々だったので天ぷらを揚げるところから始めたため、30分ほどかかったが、その間、窓の外に広がる瀬戸内海の景色を楽しんだり、置いてある「土佐の一本釣り」を読んだりしてゆっくりすることができた(例の台風に突っ込んでいくところである)。

11時50分、身支度を整えて午後の部スタートである。あと延命寺までは残り15~6kmのはずなので、納経時間には間に合うはずである。国道歩きなので、例によって㌔ポストを見てペースを計って行く。ここから1kmごと、13分・13分・15分・14分・13分。1~2分余計にかかっているのは菊間にある番外霊場・遍照院の写真を撮ったりしていたためである。

遍照院近くにあるラーメン屋には「参拝帰りにどうぞ」と書いてあるが、にもかかわらずお遍路は嫌いというのだから看板に偽りありである。隣にファミリーマートが建設中であったが、経営が一緒だったらどうしようと気になるところであった。

遍照院のある菊間市街を抜けると、石油コンビナートである。その近くで、遍路シールに沿って国道から旧道に入る。国道の両側が瓦店で、その半分以上が現在では営業していないように見えたが、旧道に入っても小規模な瓦店が続いている。コンビナートに向かう海岸線では、防波堤の内側がすべて瓦店である。

そういえば、この前後の住宅地では、鬼瓦が4つ5つある家やら、外壁の上に七福神の焼き物を乗せている家が目立って多かった。鎌大師本堂にあった干支の焼き物もおそらくそうで、すべてこの地域で製造されている瓦なのであった。

半分以上閉まっている瓦店や、放置されている在庫品をみて、いろいろ考えさせられた。たまたまこの地域に生まれ、瓦店の仕事をするのは運である。でも、いまや新築住宅に瓦を使う時代ではない。仕事を増やそうとすれば鬼瓦などアクセサリー的な焼き物を売るしかないが、それだって限度がある。

私の若い頃には、どんな業種であっても努力次第で仕事を増やすことができると言われていた。確かに、京セラだってtotoだって窯業から出発した会社だから可能性はゼロではない。でも、この仕事をずっと続けている人には悪いかもしれないが、生き残るのはほんの一握りであって、ほとんどの瓦店は続ければ続けるほど赤字になってしまう。

努力次第でどうにでもなるというのは建前に過ぎず、それでうまく行かなくても誰もどうにもしてくれない。自分自身を振り返って、運がよかったんだろうと思う。瓦屋さんに生まれていたら、私などでは状況を打開できないことは明らかである。

(この項続く)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら。モバイルフレンドリー対応済。



鎌大師からの下りでは、海に向かって景色が開けている。峠道を歩いてきた甲斐があった。


海賊うどんでお昼にする。店名の海賊うどんは、すべての具が乗った豪華版。これで700円でなおかつ接待のお稲荷さんをいただきました。


菊間の石油コンビナート前。右に続くしもた屋はすべて瓦店。閉まっているところも多い。

プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
過去のnifty(2005-2014)、忍者(2014-2018)、当サイトの15ヶ月を経過したブログ記事は、下のリンクからホームページでご覧いただけます。

カレンダー

01 | 2020/02 | 03
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29