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蓮華寺を経て松山市内を歩く 五十二番太山寺(中編)

今回、松山から今治に歩いて特に目に付いたのは、てっぺんの尖っている軍人さんのお墓だった。ほとんどの墓地に軍人仕様の墓石があって、少ないところで十数基、多いところで20も30もある。あの変わった形の墓石が5行6列も並んでいるのは、壮観でありかつ異観でもある。

千葉ニュータウンにも戦没者慰霊碑はいくつかあるが、ほとんどは大きな石に「慰霊碑」と大書され、階級とか氏名は何十人分かまとめて細かく書かれている。ところが松山周辺では、ひとりひとりが個別の墓石なのである。それも、「海軍上等水兵」とか「伍長」だからそれほど階級が上という訳ではない。徳島や高知でもあまり見たことがなく、松山に独特の風景である。

県名と県庁所在地が違っていることに現れているように、明治維新時には幕府方に付いた。将軍家の親戚にあたる松平家が長く藩主であったためである。「坂の上の雲」の秋山兄弟や正岡子規の出身地であり、風光明媚で文化水準が高い。そのことと軍人墓地と直接関係があるかどうか分からないが、経済的に余裕があったことは確かである。

一草庵から用水路に沿って15分ほど歩き、国道196号線に出た。コンビニに寄って日焼け止め、シェーブガード、ポケットティッシュ、歯磨きとミネラルウォーターを補充する。日焼け止めが700円以上したので千円札1枚では足らなかったが、日差しがきついので日焼け止めをつけないで歩くのは危険である。前回は、鼻に火ぶくれができてしまったくらいである。

国道沿いは道に迷うことがないので安心だが、信号待ちがあるのと歩道橋で横断しなければならないのが煩わしい。この日歩いた場所は松山市街の中心地から離れているのでそれほどではないが、それでも歩道橋を無視して横断できるほどには車は少なくない。

11時半くらいに「和食どんと」の看板を見つけて入り、うどんとミニ天丼のセットをお願いする。食事を待つ間に日焼け止めを塗る。食後にアイスコーヒーもお願いした。街中を歩いていても食事がとれるところに行き着くとは限らないので、こうしてファミレスを使えるのはありがたいことである。

石手寺から次の札所太山寺までの二里について、真念は「遠回りだが三津浜まで出るのが、何かと便利である」と書いている。一方で、三津浜に寄らずに山越えで室岡山を通り、東から太山寺に入るルートもあわせて紹介している。今回選んだのはその折衷コースともいうべきもので、山頭火一草庵を経て、国道196号から室岡山に向かうルートである。

室岡山には真念が「本尊薬師 諸遍路札打也」と書いた蓮華寺がある。国道196号沿いに北上し、潮見小学校の近くにある。道後から山越えで来るルートが、右から合流する。寺伝によると、室岡山の上から薬師如来が現われたという。境内からは古墳時代の石棺が発見されており、このあたりが古代の霊地だった可能性がある。

ところが実際にそのあたりまで行ってみると、蓮華寺への道案内がないのでちょっと分かりにくい。おそらく右手に見える森がそうだろうと思って歩くのだが、なかなか入口が分からず結局一周してしまった。

石段を上がって本堂エリアへ。境内は意外と広く、本堂と鐘楼、広い中庭がある。本堂前にしばらく座っていたら、テープでお経が流れてきた。石段のところに庫裏があり、納経所があるのでベルを鳴らしたけれども、どなたも出てこられなかった。置いてある抽斗には、半紙に書かれた納経印の他、スタンプのご朱印が置かれていた。

石段を下りて今度は国道ではなく西に方向を変える。やはり用水路沿いである。一草庵からずっとつながっているのだろうか。よく見ると例の「四国のみち」の石柱がある。この「四国のみち」は、最短経路を通る訳ではなく歩きやすい道とも限らないので注意が必要である。前回の区切り打ちではひどい目にあった。

用水路に沿って、再び北に方向を変える。右側はため池のような干潟のような四角い池が続き、左側は水田である。水田の向こうには稜線が一つ二つと続くのが見える。昔、松山に出張に来てJRで高松方面に走ると、なぜ瀬戸内海のある方向が山なんだろうと思ったものだった。海のすぐ近くまで山が迫っているのは、瀬戸内の特徴である。

(この項続く)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら。モバイルフレンドリー対応済。



潮見小学校のすぐ先が蓮華寺のはずなのだが、案内標示もないし住宅街の中でよく分からない。あの森がそうらしいが、山門を見つけるまでに結局一周してしまった。


蓮華寺本堂。定期的に中からテープらしいお経の声が流れる。


蓮華寺を出て用水路沿いに方向を変える。四国のみち標識が立つが、これに頼るとろくなことがないのは学習済みである。

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Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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