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四国札所歩き遍路 第8次区切り打ちスタート 五十二番太山寺(前編)

前回の第7回区切り打ちは、1週間以上雨に降られた上に最後は台風接近のため日程を短縮して終了した。早いうちに天気のいい日を歩いていいイメージを取り戻したいと考え、短期の区切り打ちを計画した。何しろ、松山市内の札所を回って松山・今治間まで歩く予定だったのに、石手寺に入ったところで中断してしまったのである。

朝一番の松山便で四国に飛べば、午前中から区切り打ちを再開できる。2018年3月12日、早起きして始発電車で羽田空港に向かった。羽田・松山のエアは16,290円、マイルを使ったので持ち出しは1,290円で済んだ。空港からJR松山までのバスが460円、JR松山から市電が160円。道後公園まで4km以上あるので歩くと大変だが、160円で運んでもらえるのはありがたい。

前回の到達地点である道後公園から、市電に沿って道後温泉駅まで歩く。真念「道指南」では道後温泉について詳しい記事を書いているが、何度か入っているしこれから長い歩きなので今回は寄らなかった。まず初めに目指したのは護国神社近くにある一草庵。漂泊の俳人・種田山頭火終焉の地である。

山頭火はこのブログでも何回か触れたことがある。自由律俳句で知られた俳人で、おそらく日本全国にある句碑の数では芭蕉に次ぐだろう。明治以降の俳人の中で一人あげよと言われれば、私は山頭火を第一にあげる。実際には、生活能力のほとんどない困った人で、昭和戦前期という時代背景もあり存命中の評価はあまり高くなかった(ほいと坊主[=乞食坊主]と呼ばれていたそうである)。

昭和14年から15年、山頭火は後援者の世話で松山市内にある一草庵で暮らしている。「生きていくのにそんなに物入りはなくなった」と書いていても、後援者に酒をご馳走になる機会は多かったようで、最期も護国神社の祭礼で一杯ご馳走になった後、一草庵に帰りそのまま亡くなったという(岩川隆「どうしやうもない私」)。

ということで、昔風に言えば歌枕である。芭蕉は西行の歌枕を訪ねて奥の細道の旅に出た。私も松山を通る以上は一草庵を見ておくべきだろうと思い、前回の区切り打ちで訪れる予定にしていたが、残念ながら季節外れの台風襲来でここまで来ることはできなかった。今回は、四国で最初の目的地となる。

道後温泉から西に歩いていたつもりなのに、いつの間にか影の方向に歩いている。これでは北である。左に方向を変えてしばらく歩くと、小川というか用水路というか、疎水沿いの道に出た。この水路に沿って歩けば護国神社を経て一草庵のはずである。

まず護国神社に出た。最初の鳥居があり、そのまま通りを進むともう一つ鳥居がある。普通、一の鳥居・二の鳥居は順番にくぐるのだが、並列にあるのでどちらかを通るというのは変わっている。道後温泉側の鳥居からは本殿・拝殿に向かうが、もう一つの方は遺族会・戦没者などの案内が書かれていた。

その護国神社から少し歩き、山側に入ると一草庵である。奥が真言宗のお寺で、一草庵のすぐ横も墓地になっている。現在は松山市によりきれいに建て直されていて、お隣は公衆トイレ兼資料展示のための施設に整備されている。

一草庵の中にはいくつか面白そうな資料が見えたが、残念ながら月曜日なので鍵がかかっていた。トイレの脇にある常設展示には山頭火の筆跡や袈裟姿の写真などが貼られている。おそらくずいぶん後の時代のものだが、山頭火の息子さんの写真があり、歳とってたいへんそっくりになっているのがおかしかった。

現在の松山市内は交通量がたいへんに多く、タクシーで移動すると結構時間がかかったりするのだが、このあたりはたいへん静かで車の音もほとんど聞こえない。山頭火はここから道後温泉に行ったり、後援者に援助してもらって米や酒を手に入れ、たまに俳句の同人とつきあって悠々自適の生活を送っていた。

一草庵から再び水路沿いに戻り、松山大学のグラウンド横を西に進む。静かなのも道理で、このあたりはお寺が続いている。真言宗、浄土宗、真宗、禅宗、日蓮宗など通りの右左に十以上はあったのではなかろうか。あるいは、松山藩の方針で、このあたりにお寺さんを集めたものかもしれない。

(この項続く)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら。モバイルフレンドリー対応済。



道後公園から疎水に沿って歩くと護国神社に出る。山頭火が死ぬ前に一杯ご馳走になったのは護国神社の祭礼の日だった。


山頭火の終の棲家となった一草庵は護国神社のすぐ先にある。この家は公園として整備する際に建て直されたもので、すぐ横は真言宗のお寺の墓地。


一草庵を出て、そのまま松山大学のグラウンドに沿って進む。このあたりはお寺を集める藩の方針だったのか、禅宗系・浄土宗系・日蓮宗系など十余りの寺院が続く。

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Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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