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第61期王位戦、藤井七段が棋聖戦とダブル挑戦

第61期王位戦挑戦者決定戦(2020/6/23)
藤井聡太七段 O- X 永瀬拓矢二冠

リーグ戦を勝ち進んでいた両者が最終一斉対局も勝ち、ともに全勝で紅組・白組を勝ち抜け、棋聖戦に続く挑戦者決定戦での対決となった。

両者とも各棋戦を勝ちまくっている4強の一角であり、コロナの影響で2ヵ月対局が滞っていたことも加わって過密日程を余儀なくされた。タイトル戦は地方会場への遠征を伴うので、移動日を勘案するとほとんど休みなしである。

永瀬二冠は前々日に叡王戦第1局、千日手指し直しで深夜に及ぶ戦いであった。5日前にも竜王戦1組ランキング戦を戦っている。2日後には竜王戦の1組4位決定戦、4日後には王将戦二次予選という超過密日程である。

藤井七段も2週前に棋聖戦の準決勝から五番勝負第1局を戦い、3日前に竜王戦3組決勝の師弟対決があった。さらに2日後にはB2順位戦の開幕戦、5日後に棋聖戦第二局と、永瀬二冠に劣らぬ過密日程である。

先日行われた棋聖戦挑戦者決定戦は、相掛りから飛車交換となり、いきなり難解な終盤戦となった。永瀬二冠がやや指しやすい将棋のようだったが、らしくない攻め急ぎで藤井七段の逆転タイトル挑戦となった。

叡王戦第1局の千日手局も、永瀬叡王やや指しやすいとみられていて、AI評価値でも優勢を保っていたのだが、あっけなく千日手が成立した。千日手歓迎の棋風なので永瀬らしい戦いだったが、指し直し局で後手番となり敗れてしまった。

今回は振り駒の結果、藤井七段の先手番。角換わりから、永瀬二冠の得意戦法である早繰り銀で挑んだ。永瀬も早繰り銀で応戦、ともに相手の守りの銀を壁銀に追い込んで玉の薄い戦いとなった。

持ち時間4時間なので、夕食休憩がなく午後の戦いが長い。午後6時を過ぎるまで膠着した争いが続き、AI評価値も55対45以上には開かない接戦となった。栄養ドリンクを盛んに消費する永瀬二冠には、2日前の影響が感じられた。

先攻したのは永瀬二冠。序盤で9筋の歩を突き越し、桂馬も7三から8五と飛び出していただけに端攻めは必然だったが、馬を作られた後の藤井七段の6七桂打ちが手厚かった(下図)。勢い、永瀬二冠は飛車を切ることとなり、ここで評価値が開いた。

解説席ではもっぱら7六歩から8五飛、さらに8六歩と打ったら飛車がどうするかという見解だったが、7七に空間ができない分、桂で追った方が守りが堅い。飛車の逃げ場所によっては、5五に跳ぶ狙いもある。

さらに6七桂のすばらしいところは、飛車がいなくなった後も馬の展開をけん制したところで、結局藤井陣は終局まで安泰。最後は、中盤の接戦からみて意外なほど差が開いてしまった。

永瀬二冠にとって挑戦者決定戦での連敗は痛いが、考えようによっては叡王・王座の防衛戦とB1順位戦に集中できる訳だから、気を取り直して立て直しを図りたい。両者とも、準備期間の少なさは影響したはずだからである。

藤井七段は棋聖戦・王位戦のダブル挑戦となり、7月以降の超過密日程は避けられなくなった。王位戦七番勝負で待つのは「千駄ヶ谷の受け師」木村王位。最年少タイトル挑戦者と最年長タイトル獲得者、受け師対詰将棋絶対王者の対照的な戦いとなる。

いまの藤井七段に七番中4番入れるのは至難の業だが、木村王位の指し手は四強とは波長が違うし、いつものように時間いっぱい使って面食らう場面がないとはいえない。スケジュールのきつさもあるので、結構おもしろい勝負になるかもしれない。

p.s. 将棋のバックナンバーはこちら


王位戦挑戦者決定戦は、棋聖戦に続き永瀬vs藤井戦。相早繰り銀からじりじりした戦いが続いたが、終盤で藤井七段の6七桂打が手厚かった。

プロフィール

taipa

Author:taipa
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