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なぜ金刀比羅宮が八十八に含まれないか 番外霊場金刀比羅宮(中編)

今回の区切り打ちコースを考慮するにあたり、金刀比羅宮をお参りして終りにしようと思ったのはいくつかの理由がある。

その一つが、区切り打ちの経験談をWEBで探すと、金刀比羅宮はスルーして金蔵寺に回ってしまうか、お参りするとしてもJRにひと駅乗ってしまうかで、歩くとどのくらい時間がかかるか分かる記事が見つからなかったのである。

「霊場記」ではわざわざ金毘羅宮の節を作って挿絵も描いているくらいだし、真念「道指南」でも、「こんぴらにかくるときは」と特筆されているから、金刀比羅宮まで歩いた遍路記事があっていいはずである。それが、あまり見ない。だったら自分で確かめる他はない。

もう一つは、出張で何度も高松空港に来たことがあり、そのたびに市内の交通混雑で大層うんざりしたからである。高知や松山のようにバイパスがある訳ではなく、徳島と比べて交通量が格段に多い高松は、空港からJR乗り継ぎのアクセスがよくないのである。まして、高松発の電車がたくさんある訳でもない。

次回のスケジュールを考える上で、高松空港からJR高松駅に出て善通寺というルートは、どうにも気が進まない。探すと、高松空港から琴平というバスがある。距離的には似たようなものだが、渋滞になることはないだろうと思われた。

善通寺からJRの駅までは土産物店が並んでいるのかと思ったら、普通の民家や商店がほとんどであった。なるほど善通寺は寺の名前でもあるが、善通寺市のすべての人がお寺の関係者という訳ではない。普通の生活も、もちろんあるのである。

20分ほど歩いて線路まで来て、地下道をくぐって向こう側に出る。すぐ交差した太い道は県道であるが、「金毘羅様5㎞」と表示がある。5㎞の平坦ならば1時間ちょっとで着くだろうと気楽に構えていたら、ここから20分歩いてもまだ5㎞なのである。国道の㌔ポスト以外は信用できない。

しばらく歩いて、ようやく国道と合流する。㌔ポストの数値が4㌔なのは、琴平が始点なのだろう。大麻神社前を過ぎ、琴平市街に入ったのは結局10時前で、善通寺から1時間40分かかった。

琴平市街はホテル・旅館と土産物店が続き、にぎやかな街並みが金刀比羅宮参道まで続く。行先表示にしたがって右折すると、すぐに石段が始まる。石段の両側もずっと土産物店で、こんなにいっぱいあって共存できるのだろうか。

土産物店でやたらと日本刀があるのでなぜだろうと思ったら、清水次郎長が敵討ち成就の御礼に金刀比羅宮に日本刀を奉納したという。ちなみに、次郎長の代理としてお参りしたのが森の石松で、四国に渡る舟の中で言ったのが「江戸っ子だってね。寿司食いねえ」という有名なセリフである。令和の現代に、森の石松がどの程度知られているかという話はあるが。

それにしても、金刀比羅宮が八十八ヶ所に含まれていないのはなぜだろうと思う。現代の感覚としては、一ノ宮はともかくとして、八幡宮や三嶋神社、新井田五社より金刀比羅宮だろうと思う。「道指南」に名前が出ているくらいだから、真念の時代(元禄期)にはすでに有名であった。

ところが実際には、延喜式に名前が載っている訳ではなく(他の名前だったという説もある)、戦国時代には多くの札所と同様に荒廃していた。江戸時代初め、山麓にある松尾寺の住職が丸印に金の印を入れたうちわを作り、庶民の人気を集めたのが今日の知名度に結びついたという。

参道の長い階段の両脇にも、「松山 △△屋善兵衛」「高松 XX屋辰吉」など名前入りの石柱が続くけれども、逆に考えれば江戸時代まではあまり整備されていなかったということでもある。「金毘羅舟々」の唄や、森の石松のエピソードで有名になったけれどもそれらは明治以降の比較的新しいものであり、弘法大師や一遍上人とは時代が違う。

(この項続く)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら


善通寺から1時間半歩いて琴平市街。直角に右折して表参道に入る。もう少し先から石段が始まる。


大門のすぐ下。ここまでが土産物店で、大門を過ぎると五人百姓と資生堂パーラー(w)だけが営業できる。


石段はまだまだ続く。ばあさんを背負ったじいさんの銅像があるかと思ってひやひやしたが、さすがにそれはなかった。

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taipa

Author:taipa
4年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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