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容赦ない傾斜が続く雲辺寺からの下り 六十七番大興寺(前編)

雲辺寺を出たのが午前11時。昼前に出られれば後はなんとかなると思っていたので、ここまでは順調といってよかった。次は「大興寺9km」である。歩き始めは、3時間かかっても午後2時到着とたいへん甘く考えていた。

実際に、遍路地図別冊の歩行距離表には、雲辺寺・大興寺間の平均所要時間は3時間と書いてある。だから、その時間で歩ける人もいるのだろうけれど、正直、ここはハードだった。そう簡単には着かない。

ちなみに「四国のみち」香川県版のホームページでは、雲辺寺から逆瀬池までの所要時間を4時間半としている。逆瀬池は、大興寺よりもずっと手前である。

しかし、歩いている時はそんなことは知らない。遍路地図の所要時間だけ見て、3時間で着くものだと思って歩いていた。なるほど、下り始めは快適だ。個人的に、東海自然歩道を「高速登山道」と呼んでいるのだが、「四国のみち」のこのあたりはそれに匹敵する快適さであった。

ところが、萩原寺方面への道を分けるあたりから、容赦ない下り傾斜のスイッチバックとなる。足下も登山靴ではなくウォーキングシューズだから、なかなかグリップが利かない。滑りそうになるので、一生懸命ブレーキをかけながら下って行く。

佐野からの登山道と違って、頻繁に標識が出てくるのはさすが「四国のみち」だが、その数字がなかなか減らないので力が入らない。そして、休もうと思っても、日陰になっているものだからベンチがみんな苔で緑色に染まっている。とても座る気になれない。

30分下って1kmしか数字が減らず、1時間下っても2kmしか減らない。下りだというのに、登り以上に時間がかかっている。もしかして雲辺寺で飲んだコーラだけでは補給が足りないのかと思って、歩きながらカロリーメイトを食べる。

そうしていると、ようやく日が差している場所にベンチがあり、見た目も乾いて座れそうである。リュックを置いて一休みする。カロリーメイトの残りとパックのミックスフルーツを食べて、ようやく人心地がついた。

「四国のみち」の標識があり、ここは一升水という場所であった。峠越えの人が水を飲んだ場所のような地名だが、ここから谷を下ったところに鰻渕という水の湧く場所があり、昔、日照りの際に人々がウナギに祈って水を得たという伝説があるらしい。

この一升水から大興寺までが6.1km、標高差はまだ400mもある。ここまで下ったのと同じ標高差を下らなければならない訳で、とてもあと2時間で着くとは思えなかった。

気を取り直して出発するが、やっぱりというか、そこから先も延々と登山道は続き、ようやく林道まで下りてきたのは午後1時過ぎ、雲辺寺から2時間以上が経過していた。この時点で大興寺まで残り4.5km、この間1.6kmに1時間近くかかった計算になる。

登山道から出てからは快適な舗装道路で、傾斜も格段に緩やかになった。間もなく、民宿青空屋の前を通る。ここに宿が取れれば、あと2時間、いや3時間遅く出発しても大丈夫で、余裕をもって歩けただろう。でも、誰とも会わないのにそんなに予約があったのは妙だなと思った(おそらく、この日に集中していた秋祭りの影響である)。

青空屋を過ぎてからも、大興寺まではまだまだ長い。ただ、このあたりになってくると景色が開けて、山道とは違って歩いていて楽しい。はるか向こうの海側に見える小さな丘が琴弾山で、その右に見える大きな山塊が、本山寺の後背になる七宝山であろう。そこからずっと山並みが続き、その中には弥谷山や我拝師山もあるはずである。

(この項続く)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら


一升水の休憩ベンチ。ここまでのベンチは湿っていて座れなかった。カロリーメイトとフルーツパックでお昼にする。


歩き始めて2時間、ようやく登山道が終わり、舗装道路に出た。この少し先が民宿青空屋で、ここで宿がとれればスケジュール的に楽だった。


県境を抜けて香川県に出ると、観音寺方面への伸びやかな眺めが広がる。大きな山塊が観音寺や本山寺の山号でもある七宝山。右に連なるのがこれから歩く弥谷山・我拝師山。

プロフィール

taipa

Author:taipa
 

4年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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