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四国札所歩き遍路 六十六番雲辺寺(完結編)

さて、この雲辺寺は他の札所と比べてたいへんひと気が多く、どこを歩いてもざわついている。ほとんどの参拝者は遍路ではなく、雲辺寺だけをお参りしに来た人達か、観光客かどちらかである。さすがにロープウェイの存在は大きいということであるが、同様にロープウェイのある太龍寺よりも、さらに人出が多いようだ。

もちろん、香川と徳島の経済力の差ということもあるのだろうけれど、お寺の経営努力という側面もあるような気がする。本堂や大師堂を新しくしたり、古くからのご本尊を秘仏にして新しい石造りの前立仏にしたり、山門をロープウェイの方に作っていることもそうかもしれない。全体に、昔からのお遍路よりも現在の参拝客重視という雰囲気を感じる。

それが本当にいいことなのかどうかは分からないけれども、集客という点では効果をあげている。私の地元にある成田山新勝寺だって、江戸時代以来の伝統にプラスして、新規設備投資に余念がない。

それに、これほどの山の上では、どんどん新しくしていかないと、風雪にさらされてどんどん建物が傷む。歴史ある本堂や大師堂も渋くていいけれど、限られた収入で次の世代にどうやって残すか考えた場合、計画的な設備改修はどうしても必要である。先週も書いたけれど、減る一方のお遍路に頼っていては存続はままならない。

この先の遍路道は、標識が少ないのでちょっと分かりにくい。登って来た時とは反対側に、水堂の横から「ロープウェイ駅→」の案内にしたがって進む。

しばらく進んで石段を下りると、立派な山門があり、傍らに手水場もあった。やはり、多くの参拝客がこちらから来ることを想定しているのだろう。参道脇には新しく大きな建物があるが、用途はよく分からない。

このお寺でちょっと困ったところは休むところが少ないということで、気がついたのは納経所前のベンチだけだった。特に歩き遍路の場合、登ってくる途中で天候が急変するということもあるし、そもそも天気のよしあしを選ぶことができないケースが多い訳だから、参拝者休憩所くらいは欲しいと思う。

この時も、山門近くには自販機しかないし、納経所のベンチまで戻るのも面倒だから、仕方なく立ったままでコーラを飲んでお昼休みにした。四国遍路仕様のコーラで、瓶型の缶に遍路姿の女の子のデザインである。容量は缶より少ない300mlで、いっぺんに飲むにはちょうどいい量である。

山門からさらに下ると、両側に五百羅漢の石像が並ぶ独特な雰囲気の参道を通る。最近製作されたもので、苔がほとんど付いていない。例の腹を開いている羅漢を探したのだけれど、五百体もいるので探せなかった。

ロープウェイ駅への道を分けると、巨大なアンテナの基地局が建っている。このあたりは香川・愛媛・徳島三県の県境の高い山だから、アンテナを立てるにはもってこいだけれど、ここまで道路を伸ばすのは大変だったろう。

アンテナ基地の先になると道は少し細くなり、さらに道が分かれて「四国のみち」はいよいよ登山道となる。もちろん、遍路道もこちらの細い道である。雲辺寺で少しゆっくりしたので、時刻は午前11時。次の大興寺までは9kmという表示がある。山道とはいえ下りなので、3時間あれば着くだろうと考えていたのだが、もちろんそんなに甘くなかった。

考えてみれば当り前で、雲辺寺は標高900m以上あり、大興寺は100m以下である。標高差が800mあるのだから、そんなに楽な道である訳がないのである。

この日の経過
スーパーホテル四国中央[タクシー]→ 椿堂 5:20 →[4.7km]
6:25 境目トンネル[855m] 6:40 →[2.9km]
7:30 遍路道入口 7:35 →[1.9km]
9:00 林道分岐 9:10 →[2.4km]
10:15 雲辺寺 10:55 →

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら


「巨鼇山」の扁額が掲げられた山門。「鼇」は大亀。こちらも比較的新しいもの。


山門からロープウェイ駅に向かう参道には、比較的最近作られたと思われる五百羅漢がいらっしゃる。


雲辺寺山はお寺があるだけでなく、県境の稜線であることから大きなアンテナ塔が建てられている。その先で、車道と遍路道が分かれるが、ここからの遍路道がまたハード。

プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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