FC2ブログ

記事一覧

ご本尊は千手観音、でも「道指南」には十一面観音と書いてある 六十六番雲辺寺(その5)

雲辺寺には着いたが、遍路道から歩いて入ると参道の途中から入った形になるので場所がよく分からない。このお寺は、ロープウェイで登って来た参拝者が山門から順路に従って進むのである。

まず手水場を探すけれども見当たらない。弘法大師が杖を突いて作った水堂という建物が目の前にあるのだが、「ここは水を飲むところです。手を洗わないでください」と書いてある。でも、他に手水場が見つからないので、仕方なくお賽銭を置いて水を飲むついでに素早く両手をすすぐ。

巨鼇山雲辺寺(きょごうさん・うんぺんじ)。「鼇」は大きな亀。雲辺寺山を巨大な亀になぞらえての山号と寺では伝えるが、五来重氏は海洋宗教につきものの亀石からの発想ではないかとしている。いずれにしても、弘法大師以前からあった霊場であることは間違いない。

水屋の前の階段を上がると本堂である。山の上なのに立派な建物だが、考えてみれば歩いてこなくてもロープウェイもあるし車道も通っている。この山にはアンテナ塔もあるくらいなので、大きな工事も問題ないと思われる。

本堂はコンクリート造で、それほど古い建物には見えない。中に入ると、仏様に直接お参りできる。比較的新しく見える石造の千手観音像である。札所のご本尊の多くは厨子の中か御簾の後ろで見ることはできない。こちらの仏様は大々的に前に出ている。

霊場会HPによると、本当のご本尊は経尋作の千手観音菩薩坐像で12世紀というから平安末期の作、国の重要文化財である。重文なのでネットを探すと画像が出てくるが、この石造りの仏様とは違うようだ。あるいは、ご本尊は秘仏にしているのかもしれない。

疑問なのは、私の持っている真念「道指南」には(講談社学術文庫「四国遍路道指南全訳注」)、雲辺寺のご本尊は十一面観音と書いてあることである。それもさし絵付である。ところが、霊場会HPも他の資料も千手観音なのである。

雲辺寺が江戸時代から当寺が千手院と称していたこともあり、大師御製かどうかはともかく古くから千手観音がご本尊とされていたことは間違いなさそうなのだが、単なる「道指南」のケアレスミスなのか、よく分からない。

五来重氏によれば、千手観音は海洋信仰、十一面観音は山岳信仰と関わりが深く、そのため山の上にある雲辺寺も、千手観音がご本尊で海にちなんだ亀を山号としているというのだが、山岳信仰の霊場であれば十一面観音であってもおかしくない。このあたり今後の研究課題として考えてみたい。

大師堂は本堂から灯籠の並ぶ坂道を登って行く。嵯峨天皇・清和天皇勅願の石碑があり、建物自体は比較的新しい。帰ってから調べたところ、背後にある奥殿が古くからある建物らしい。霊場会HPにも載っていないのだが、せっかくだから見ておきたかった。下調べが足りなかった。

大師堂で読経した後は、再び本堂近くに戻ってご朱印をいただく。このお寺も納経してくれたのは美人であった。札所の納経所には、なぜか美人が多い。

(この項続く)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら


本堂はコンクリ造で近年の建物である。ご本尊である石造りの千手観音像が印象的である。


本堂から大師堂へは、灯籠の並ぶ坂道を登って行く。


大師堂。嵯峨天皇・清和天皇勅願の石柱が置かれている。背後の山沿いに奥殿があるのだが見逃した。

プロフィール

taipa

Author:taipa
 

4年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
過去のnifty(2005-2014)、忍者(2014-2018)、当サイトの15ヶ月を経過したブログ記事は、下のリンクからホームページでご覧いただけます。

カレンダー

08 | 2020/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -