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いちばんきつかった白根御池小屋から広河原の下り 北岳(その5)

計画では10時の下山予定が9時になったので、来た道を戻らずに間ノ岳分岐から八本歯のコルを経由して帰ろうかと一瞬思った。しかし、1/25000図を見ると相当に距離があるし、登る途中で見えた八本歯のギザギザがかなり凶悪に見えたので、予定どおり来た道を戻ることにした。この判断はたいへんよかった。

肩の小屋に戻ったのは9時45分。休憩して何か飲もうとも思ったのだが、まだ標高差1000m以上あるのにビールという訳にはいかないし、ドリンク類はそれほど冷えていそうでない。水も白根御池小屋までもちそうだったので、何も買わずに引き上げたのは申し訳なかった。せっかくこんな高地で営業しているので、何か協力したかったのだが。

一息ついて、下りに向かう。小太郎尾根分岐までの道は、気持ちいい稜線歩きだ。今度は正面に甲斐駒ヶ岳、その後ろに八ヶ岳、左に仙丈ヶ岳、右に鳳凰三山である。朝方は逆光で見にくかった鳳凰三山がよく見える。地蔵岳のオベリスクが天に向かってそびえていた。

先週書いたように、小太郎尾根分岐かの下りではロケ隊に会った。狭い登山道なので、登山者が来るたびによけるのが大変そうだった。下りは登りと違って息が切れないので、このあたりは快調。11時半には白根御池が見えてきた。

最後の雪渓ではツボ足で行こうとして滑って転んだので、登り同様にチェーンアイゼンを着けて下りる。着脱の時間がかかったので、白根御池が見えてから小屋に着くまでずいぶん長かったが、12時20分に到着。

考えていたよりかなり早かったので、小屋でカレーライスと桃のソフトクリームでお昼にする。カレーができるまでの間、荷物を整理する。桃ソフトはソフトクリームというよりシャーベットだったが、標高2200mで冷たい物が食べられれば文句ない。時間がなければカロリーメイトの予定だったので、カレーライスはご褒美である。

ゆっくり休んで、午後1時前に出発。登りは3時間ちょっとだったので、下りはコースタイムの2時間は無理としても、2時間半くらいだろう。3時半には広河原に着けるから、ビールでも飲もうかなどと気楽なことを考えていた。ところがここからの下りが、今回遠征で最高にきつかったのである。

白根御池小屋からのトラバース道は長いのが分かっていたので、「あと20分表示」まで30分以上かかったけれど特にどうとも思わなかった。小屋までは軽いサブザック、小屋でデポしたリュックに詰め替えて10kgと重くなったので、まあ多少は時間がかかっても仕方がないと思っていた。

ところがスイッチパックの下りに入ってから、まったくスピードが上がらないのである。登る時は急傾斜でも休み休み行けばそれほどにも感じなかったのだけれど、下りでは転げ落ちそうなくらいの傾斜に見えて、しかも段差は半端なかった。そのたびに一度止まって、手掛りを確保して、ようやく足を下ろすという連続である。

第二ベンチまで休みなしに下ったのに、白根御池小屋から1時間10分。登りで1時間ちょうどだったから、登りより下りの方が時間がかかっている。これは予想外であった。

第二ベンチから第一ベンチも遠かった。このあたりになるとヒザに力が入らなくなって、段差を下りるたびに息を整えなければならない状況である。これは参った。朝4時に出発したからよかったようなものの、予定どおり5時半スタートだったら確実に間に合わなかっただろう。

後ろから来るグループにパスしてもらうのだが、追い抜かれるとあっという間に見えなくなってしまうほどのスピード差である。自らを叱咤しながら急傾斜を下る。自分が情けないが、そんなことを思っていても仕方がない。まだバスの時刻には間に合いそうだ。

第一ベンチに午後3時前到着。10分休んで3時ちょうどに出発。ここから登りで1時間20分。バスが16時40分だから何とかなりそうだけれど、こんなに苦戦するとは思わなかった。よく考えれば北岳頂上からすでに標高差1000m下っているのだから、体が動かないのも無理はないのだが。

沢コースの分岐で時間を見ると15時55分。何とか間に合いそうだ。しかし、ここから先の緩やかな下りでも、足がなかなか前に進まない。後続グループに、どんどん追い抜かれる。広河原山荘でビールなんてとんでもない話で、何とか体をひきずってバスターミナルに急ぐ。広河原バスターミナル着は16時15分。白根御池小屋から3時間20分かかった。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら


ついに北岳頂上が見えた。平らな頂上の左に三角点があり、右が3193mの最高点。言うまでもなく、富士山の次に高い。>


北岳最高点から三角点方向。東斜面に残雪が見える。左後方に甲斐駒ケ岳、その後ろに八ヶ岳。


こちらは間ノ岳方向。三角点から下った鞍部に、北岳山荘の屋根が見える。

プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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