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建物もスタッフも気持ちいい白根御池小屋 北岳(その2)

「白根御池小屋まで20分」の表示を見てうれしくなってしまったのだが、これは早合点であった。標高差のほとんどないトラバース道なのだがいくつも沢を越えるのでアップダウンがあり、距離もかなり長い。往きではここから30分かかった(帰りはもっとかかったのだが)。

それでも、それほど消耗せずに小屋が見えてきた時にはうれしかった。建物は見た目にも新しく、テントもいくつか見える。到着したのは14時35分。広河原から3時間15分だから、ほぼコースタイムである。帰りは2時間で下れると思ってしまい、翌日大変な目に遭うのだが、それはまだ後の話である。

受付をしてびっくりしたのは、建物が新しいだけでなくスタッフもみんな若くて、小ざっぱりしていたことである。男の子も女の子も20代そこそこで、みんなきびきびと働いている。農取親父の新日本風土記を見たばかりなので、あまりのギャップに驚いてしまった。

指定された布団は「シナノキンバイ青の4」、この部屋は8人部屋で、青というのは1人布団1枚の番号だった。赤の番号は2人で布団1枚である。赤にならなくてよかった。2階の隅にカーテンで仕切られた更衣室があり、トイレは1、2階とも水洗。廊下とトイレは常夜灯があるので、夜もヘッデンなしで大丈夫。ただし、部屋が一杯だと人を踏んづける危険はある。

夕食まで2時間以上あるので、着替えてゆっくりする。備え付けのサンダルで外に出てみた。白根御池は思ったより小さかったが、すぐ横の斜面はかなり上まで雪渓なので、夏になるとこれが溶けてもう少し池が大きくなるのだろう。

この池は日照りの時でも枯れることがないため、昔は雨乞いの儀式が行われたという。説明看板には牛の骨と書いてあったが、愛読する筒井功氏によると、雨乞いは古くは牛の生首がいけにえであったらしい。わざと穢れたものを投げ込むことにより、水神を怒らせて雨を降らせるのだという。

その後は小屋に戻り、大広間でビールを飲みながらまったり過ごす。大広間はフローリングで、ストーブが焚いてある。壁に寄りかかってビールをいただきながら、置いてあるガイドブックやコミックスを見る。コミックスの種類は「マスターキートン」や「のだめカンタービレ」などがあり、新旧ランダムであった。

夕方5時になり夕食。この日は天気がよく予約なしのお客さんもいたようで、5時と5時半の2回。私は到着も早かったので、5時の1番テーブルを指定された。すでにご飯とお吸い物がセットされていて、お代わりもスタッフがよそってくれる。

おかずはお重にセットされていて、酢豚(鶏かも)、タケノコとシーチキン、切干大根、ポテトサラダと刻みキャベツ、お新香、デザートに餡団子もある。食材の調達もヘリか歩荷なので、それを考えるとたいへんに手が込んでいる。もちろん、おいしくいただいた。

夕食後に、朝のお弁当が配られる。翌朝の朝食時間が5時からだったので、少しでも早く出たくて弁当に替えてもらったのだ。夕食が終わって部屋に戻る。この時は気付かなかったが、飛び込みのお客さんがさらに続き、談話室に使われていた大広間に泊まる人も出たのであった。

この日の朝が4時起きだったので、6時を過ぎたら布団で横になる。敷布団も掛布団も真新しかった。掛布団は羽毛布団が1人2枚。夜中にかなり冷えたので2枚とも使った。うとうとしている間に午後8時の消灯時間となった。部屋は8人満杯で、お向かいの人と足がぶつかるが、贅沢は言えない。かつての尊仏山荘のように大いびきの人がいないだけで十分である。

トイレに一度起きたら、頭痛がした。高山病の症状かもしれない。手探りでロキソニンを出して飲んだら次のトイレの時にはおさまっていた。熟睡できたのは3時間くらいだったが、時間を見ると午前3時になったので起きることにした。

荷物とお弁当を持って1階へ。大広間が使えると思っていたら寝ている人がいて使えなかったので、ロビーの椅子に座り常夜灯の下でお弁当の朝食。ポットにお茶が用意されていたのはありがたかった。暗くておかずが何だがよく分からなかったが、白いご飯に鮭の切り身、野菜炒め、梅干、ふりかけといったところだろうか。

食べている間に、何人か出発の用意をした人が下りてきた。やはり、早出の人はいるようだ。4時ちょうどに出発。東側・鳳凰三山の山際は少し明るくなっているが、これから登る北岳方向はまだ暗い。中空に、右側の欠けた下弦の月が光っている。

行先表示にしたがって登山道を目指すが、その方向は雪渓である。踏み跡があるのと、車の轍のような2本線が見えるのでここを登ればよさそうだが、先行者の姿は見当たらない。後から分かったのだが、この2本線はスキーであった。

雪が凍って滑るので、用意してきたチェーンアイゼンを装着する。こういう予定外の時間がかかるから、早く出るに越したことはないのだ。夏になると伸びた草をかき分けながらの急斜面で、まさに「草すべり」の名前のとおりになるらしいから、時間的にはかえって短く済んだのかもしれない。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら


白根御池小屋。標高2236m。建物はきれいでスタッフも若い人が多い。お布団が柔らかくて気持ちいい。宿泊者は中トイレなので基本ヘッデンなしで大丈夫。


白根御池小屋夕食。この日のおかずは酢豚(鶏?)とポテトサラダ、タケノコとシーチキン、切干大根など。農取小屋のTVを見たばかりなので、その格差に驚いた。


翌朝は4時に出発する。白根御池湖畔からいきなりのアイスバーンで、チェーンアイゼンが役に立った。

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Author:taipa
 

4年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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