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日暮れ前にようやく下山、人のことは言えない 三頭山(完結編)

イヨ山方面とムロクボ尾根の分岐はヌカザス山への最後の急登前にあったので、体力が温存できてたいへんありがたかった。

とはいえ、この尾根の下り口はいきなりまっさかさまの急降下である。吉備人地図でも(注)急傾斜ロープと書いてある凶悪な坂だ。ロープには1m置きに結び目が結ばれており、ロープをつかんで後ろ向きになり慎重に下りる。

この急傾斜をクリアすると、あとは比較的歩きやすかった。大きく迂回しながらスイッチバックを繰り返すような道で、なかなか進まない代わりに確実に標高が下がる。この状況では滑落の危険が少ないのが何よりありがたい。

午後5時が近づき、ずいぶん山の上にあった太陽が地平線近くにまで下がってきた。足下が暗くなる前にヘッデンを用意しなければならない。尾根の広くなったところで、リュックを下ろしてヘッデンを出し胸ポケットに入れる。ついでに、プラティパスからペットボトルに水を補給する。まだほとんど氷のままで、残りは半分少々。300mlといったところか。

そろそろアンテナが立たないかなと思って携帯をみると、ありがたいことにアンテナが2本立っていた。宿に電話を入れて事情を説明し、到着が遅くなることを連絡する。「気をつけていらしてください」と言っていただいた。そのとおり、とにかく安全にケガなく下山することが大切だ。

GPSで現在地の標高を調べると885m、奥多摩湖の標高が700mくらいだから、あと200m弱。1時間あれば何とかなりそうだ。しばらくして、樹間から奥多摩湖の水面が見えた。あそこまで下りればバスに乗れる。あと1時間で午後6時、深山橋のバスは18時23分、47分と19時08分。多少多くかかったとしても、バスの時間は大丈夫そうだ。

宿に連絡がついて、バスの時間もまず大丈夫、目指す奥多摩湖も見えてきた。あとの心配は、再び凶悪な急傾斜が出てこないかということと、残り少なくなった水である。

凶悪な急傾斜については、やはり奥多摩湖に下りる御殿山からの大ブナ尾根がたいへん滑りやすい急坂だったので心配したのだが、尾根の入り口を除くとロープもほとんど出て来ず、滑りやすい場所も少なかった(それでも足の爪はやられた)。

水の心配は、ここまできたら仕方がない。麓までもたせるよう節約して飲む。体温が上がっているのか、水分補給するとすぐ汗になって出てきて、また喉がかわく。もっと水を用意すればよかったといつもながら思う。

午後6時前、ようやく眼下にガードレールらしきものが見えてきた。それでも足下は急傾斜で、最後まで油断できない。胸ポケットに用意していたヘッデンは使わずに済んだが、これが冬であれば臼杵山の時のように暗闇をヘッデン頼みで下りることになっただろう。全く、他人のことは言えない。自分自身が、危ない目に遭わないようにきちんと計画して準備しなければならない。

舗装道路まで下りるとそこは三頭橋だった。渡っている途中に小菅方面からのバスが通り過ぎて行ったが、ここまで来ればあわてることはない。これを逃しても、30分後にまた来る。

三頭橋を渡ったところのお店に自販機があったので、500mlのコーラで久しぶりに思う存分水分補給する。結局ペットボトルの水は100mlほど残して下りることができたが、都民の森で補給しているので、家から持ってきただけでは足りなかったということである。

二つ目の深山橋を渡ってバス停へ。切り株のベンチに腰掛けると、ちょうど橋がライトアップされた。明るいうちに下りて来れたと思っていたが、危ないタイミングだった。バスに乗っている間にすっかり暗くなった。

奥多摩駅前の宿「鉢の木」に着いたのは7時20分過ぎ。片付けがあるだろうから先に食事しますと言ったのだが、「ゆっくりお風呂に入っていらっしゃい」と奨められ、まずお風呂をいただく。とにかく、無事に下りて来られてほっとした。

夕飯にビールの大瓶をいただいたところ、あっという間に汗になってしまった。さらにもう1本ビールと地酒「澤乃井」をいただき、自らの健闘に乾杯したのでした。

この日の経過
数馬バス停(686) 10:10
11:20 都民の森(990) 11:40
12:00 鞘口峠(1080) 12:10
13:05 見晴し小屋(1332) 13:10
14:10 東峰下展望台(1515) 14:20
14:35 三頭山西峰(1531) 14:50
15:15 鶴峠分岐(1419) 15:20
16:05 ヌカザス山分岐(1171) 16:10
17:00 ムロクボ尾根中間点(885) 17:05
18:30 深山橋バス停(698)
[GPS測定距離 12.7km]

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら


ヌカザス山に近づいてツネ泣峠あたりで急傾斜となる。このあたりで進退窮まったか、あるいは暗くなってヘッデンがなかったか。


麦山浮橋(ドラム缶橋)が通行止のため、ヌカザス山分岐からムロクボ尾根にルートをとる。いきなりたいへんな急傾斜だが、危険個所はほぼここだけだったのはありがたかった。


水位が下がった小河内ダム。現在の貯水量は75%前後で、これだとドラム缶橋は通行止になるようです。

プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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