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延命寺で四国霊場の霊験について聞く 番外霊場延命寺(後編)

摩尼山延命寺(まにさん・えんめいじ)、千枚通本坊とも称する。千枚通しとは穴を開ける尖った金属器ではなく、弘法大師が足の不自由な人に与えたという霊符のことである。この霊符を水に浮かべて南無大師遍照金剛と飲み干すと、歩けなかった人の足がにわかに直り、以来この寺では千枚通護符を継承して今日に至るという。

また、弘法大師お手植えと伝えられる松は昭和半ばに枯れてしまったが、いまも公園の一画に幹が残っており、南無大師遍照金剛と唱えながらさすって自分の痛む場所に当てると痛みがなくなるということである。

「四国というところは、そういうことがあるんだよね」

納経の時、お坊さんとそういう話になった。

「慈眼寺に行かれたことは?・・・ない?・・・あそこには行場の洞窟があって、中は狭くて曲がりくねっている。あんたならなんとか大丈夫だが、私だとあちこちつかえて大変だ」

慈眼寺の穴禅定のことは知っている。鶴林寺に登る前、ふれあいの里さかもとから1時間ほど行ったところにある別格札所で、狭い鍾乳洞の中を奥まで入って修行する。確か、案内の先達がいるだけで灯りもなく、真っ暗な中を手探りで進まなければならないということである。

「うちに来る観光バスの運転手さんに聞いた話だが、生まれてから一度も声を出したことのない女性が慈眼寺の洞窟に入って、暗い中身動きも取れなくなって『あっ』と声を出したらしい。誰の声?ということになって、しゃべれないはずの人が声を出したので、みんなびっくりした」

「そうしたら、その声が出せなかった人が、それから後は普通に話せるようになったんだと。生まれてから今まで話せなかったはずの人が、すっと話すもんだから、これまたみんなびっくりしたということだ」

そういうこともあるんだろう。脳のどこかで鍵がかかっていたものが、いよいよ進退きわまって助けを求めた。人の声は聞こえるし考えるのも日本語で考えていたのだから、すらすら話せても不思議はない。

「ここのいざり松もそういうものだ。最近そういう言葉はおおっぴらに使えなくなってしまったが、足の利かない人がいて、お大師様が念じるとすたすた歩けるようになったという。松は枯れてしまったが、信仰上のものだからいまも残している。南無大師遍照金剛とさすると、痛みが取れるというからやってみるといい」

通りを隔てた公園の一角に、屋根をかけられた「いざり松」がある。お坊さんに教わったとおり、幹を撫で、その手で足をさする。枯れ木というとささくれ立って棘があったりするが、この松はみんながさするせいか、おびんずる様のようにすべすべしている。

ちょうど午後5時のチャイムが鳴る頃、延命寺を出てバス通りに戻る。バスの時刻まで10分ほどあったので、ひとつ先のバス停まで歩く。すぐ近くにセブンイレブンがあり、翌朝ここからスタートするのがよさそうだ。

バス停からは「松屋旅館」の大きな看板が見えた。すぐ先の交差点の近くのようだ。WEB等を読むと、ビジネス旅館小松から松屋旅館に泊まるというスケジュールが多いので、泊まる場所こそ違うもののほぼ人並みに歩けたようである。

バスで国領大橋まで戻り、すぐそばにあるすき屋でゆずぽんおろし定食とビールで夕飯にした。1200円だった。ホテルのコインランドリーで乾燥機まで終わったのが午後8時、翌日の支度をして床に就いたのは午後10時になってしまった。

この日の歩数は56,903歩、GPSで測定した移動距離は31.6kmでした。

この日の経過
前神寺 8:40 →[18.1km]
12:45 新居浜市内(荷物預け・買い物・昼食) 13:45 →[11.5km]
16:20 延命寺 16:55 →[1.1km]
17:10 コープ前バス停 →[バス]ビジネスホテルMISORA(泊)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら


延命寺大師堂。納経所もこの中にある。


延命寺いざり松。お大師様の功徳により、足が不自由な人が歩けるようになった故事に基づく。枯れてしまった今日でも、「南無大師遍照金剛」と幹をさすると、痛みが鎮まるという。


バスの時間まで歩いて、伊予土居駅付近のコープ前バス停に到着。向こうに「松屋旅館」の看板が見える。


プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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