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前日に死亡事故のあった平野林道 六十番横峰寺(完結編)

帰り道は下りなので、休み休みでない分だけ時間は短縮できる。とはいえ、雨は止まないし傾斜はたいへん急なので、滑りそうでなかなかスピードは出せない。

登りでは気づかなかったが、木々の間から麓を望むことができる。雲が厚くて霞んでいるけれど、見えているのは小松の街のはずである。晴れていれば、瀬戸内海まで見えたに違いない。

カーブごとに番号が振ってあって、確認したところ18くらいまであったので、数字が減るのを楽しみに下って行く。10くらいのところに「水場」と看板が掲げられている場所があって、パイプから水が出ていた。

この日は雨降りで汗もあまりかかなかったし、水も十分持っていたので素通りしたけれども、歩きで使う時にはたいへんありがたい。ここまでかなり登らないと着かないので、顔を洗うだけでもさっぱりすることだろう。下りではここで5分ほど小休止した。

水場を過ぎるとカーブ番号が一桁になり、ようやく終わりが近づいたと思うと元気が出てきた。谷川に沿って最後の下りというところで、登りの時も作業していた森林組合のおじさんとまた会った。

「外人さんに抜かれたろう」

「早かったですよ。登りの途中であっさり抜かれました」

足を止めると、この頃1日に何人かはこの道で横峰寺まで歩く人がいるという話になった。直接登る遍路道が土砂崩れしている影響に違いない。そして、

「昨日のことだけど、この先でキノコ採りに来ていた人が足を滑らしたらしく亡くなったんだよ」

「えっ、そんなことがあったんですか」

「見つけたのはお遍路歩きの人だよ。もしかすると、この先で会うかもしれないよ。」

ということだった。遍路道を歩いていたら、そういうリスクと隣り合わせだったということである。改めて、道路を維持管理していただいた作業中のおじさんと料金所の方にお礼を申し上げた。

帰ってから国会図書館で調べたところ、以下の新聞記事を見つけた。

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◆西条市の山中で男性遺体
10日午前7時20分ごろ、西条市大保木の林道から4㍍下の沢で、住所・職業不詳△△△△さん(70)が倒れているのを通行人の男性(54)が見つけた。西条署によると、現場は四国霊場60番札所横峰寺へ続く林道沿いの沢で。付近にガードレールは設置されていない。署が死因などを調べている。
(2018/10/11 愛媛新聞朝刊)
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お遍路歩きでも通行人には違いない。発見した時刻(午前7時20分)からすると、野宿でなければバス待合所のところにあった旅館から出発したものだろうか。せっかく早出しても警察を呼んで足止めされただろうから、この日はそれほど進めなかっただろう。

まさに私が歩いた前日のことである。1日違えば、私が発見者になっていたかもしれない。そして、林道沿いでさえこういう事故が起こるのだから、遍路道を強行突破しようとすれば、たいへんリスクが高かったということである。

バス待合所に着いたのは午後3時半。横峰寺からは2時間半だから、登りより30分短縮したことになる。デカビタCを飲もうと思って1000円札を出すと、財布の中が水浸しで濡れたお札は自販機を通らない。やむなくリュックの中から予備の1000円札を出してことなきを得たが、こういう事態は高知のネストウェストガーデン以来であった。

ここから先も結構長かった。そろそろ人里なのに、なかなか民家が見えてこない。30分かかってダム湖を望む高台、1時間近くかかってようやく石材店の前を過ぎた。午後の降水確率は低かったのに、結局降ったり止んだりで傘をしまうことはできなかった。

午後4時20分、ようやく郵便局の前に出た。郵便局には大きな看板があるのだが、山の方からは見えにくかったのである。もっとも、山の方から郵便局に来る人も多くはないだろうから、当り前といえば当り前である。あとは国道に出て石槌神社会館まで、右足と左足を交互に出していれば着くはずである。

この日の経過
小町温泉しこくや →[バス]小松総合支所 8:00 →[2.6km]
8:35 氷見郵便局前 8:40 →[3.4km]
9:35 バス待合所 9:45 →[3.2km]
10:30 林道料金所 10:30 →[4.7km]
12:30 横峰寺 13:05 →[7.9km]
15:30 バス待合所 15:35 →[3.2km]
16:20 氷見郵便局前 16:20 →

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら


厚い雲の間から、小松方向を望むことができた。晴れていれば瀬戸内海まで見えたに違いない。


平野林道の中間あたりにある水場。この日は雨だったが、汗をかいていたらありがたい休憩地であっただろう。


午後1時から下り始めて、4時前にようやくダム湖まで下りてきた。こういう景色だったのかと改めて見る。

プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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