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「房州低名山」の「低」を消す考え足らず 御殿山・大日山(前編)

前回は嵯峨山を歩いたのだけれど、道なき道にちょっとめげてしまった。房総の山らしいといえばらしいのだが、平らに足を置けない道はあまり楽しくない。どこかいい山はないかと思って探していたところ、御殿山がちゃんと整備されているようだった。

御殿山は伊予ヶ岳のさらに南にある。高さは363mでさほどでもないが、房総としては高い部類に入る。南房総市のホームページにハイキングコースとして掲載されているし、ネタ本である「房総のやまあるき」にも掲載されている。

予定より30分遅れて、高照禅寺駐車場に着いた。なぜか駐車場がほぼ一杯で、大型ダンプから重機を下ろしている最中だった。作業半径に近づかないように遠くに車を止める。駐車場は広くトイレもあるのだが、隣の敷地との区別がよく分からない。幼稚園バスも止まっていたので、大丈夫な場所ではあるのだろう。

支度をして出発したのは8時20分。県道を横切って登山道に向かうと、まさにそこまでの橋の工事が始まるところだった。「いいですか?」とお伺いすると、「車じゃなければいいですよ。帰りも声かけてもらえれば」ということだった。

初めは舗装道路、やがて簡易舗装、遂には登山道という順序は、房総ではよくあるパターンである。ずいぶん傾斜がきつく、みるみる高度を上げる。写真を撮りながら歩いていると、後ろから来た人(私と同様のシニア)に抜かれた。

登山道に入っても、道はしっかりしているし、ところどころ擬木とチェーンで路肩を区切ってある。遊歩道の案内看板もあったので、きちんと予算をつけて整備しているものと思われた。ありがたいことである。とはいえ、傾斜はたいへん急だ。何ヵ月か前に登った四国の捨身ヶ嶽の急坂を思い出した。

30分ほど登ると、「大黒様」と書かれた高台に到着する。麓の方を見つめて微笑む石造りの大黒様は、まさに打ち出の小槌を振り下ろさんという雰囲気である。足下からは麓の村々の景色が広がり、なんとも雄大である。

横に立てられた看板にこの大黒様の由来が書かれている。もともと麓の集落にあったものだそうだが、「縁起をかつぐというくらいだから、大黒様もかついで山の上にいた方が気持ちがよかろう」という訳で、集落を望むこの高台に移されたそうである。この高台の標高は240mくらいで、麓との標高差は150mほどになる。ちょうど新宿新都心のビルくらいであろうか。

ここで、先ほど抜かれた人と「いい景色ですね」と話をした。「千葉の山はあまり来なかったけれど、高さはないけれどたいへん景色がいい」と言っていたから、県外から来たのかもしれない。ずいぶん早起きしないとこの時間には登れないだろう。

大黒様を過ぎると、わずかの間なだらかな稜線となるが、房総だからそれも長くは続かない。まず御殿山への登りである。ただ、大黒様までかなり登ってきているので、それほど長くはない。15分ほどで御殿山頂上に到着した。

御殿山は、三角点のある山頂がまずあって、一段下が広くなってそこに東屋が建てられている。山頂には石の祠と三角点がある。三角点の近くに房総でよく見る「房州低名山」の立て札があるのだが、誰かが「低」の字を消して読めないようにしている。

なぜこういうことをするのだろう。「房州低名山」は安房地域の地方紙・房日新聞の企画で、「百名山」に掛けて「ひくめいざん」と読む。房日新聞は地元密着した記事が多く、山の記事も充実しておりWEB検索でよく見つかる。「低名山」とするところに面白さがあるし、だいいち人の作ったものを傷つけるというのはどういう神経だろう。

「低」は余計で「房州名山」でいいではないかというつもりなのだろうが、だったら気の済むように自分で作って立てて歩けばいい。その看板が汚されたり壊されたりすれば、作った人の気持ちが分かるだろう。

こういう人間はきっと、「低」と言われると自分のことを言われているようで腹立たしいのだと思う。嘆かわしいことだ。せっかくの看板を汚すことで、他の人が不愉快な気持ちになることは勘定に入らないらしい。考え足らずとしか言いようがない。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら。モバイルフレンドリー対応済。

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高照禅寺駐車場から30分ほど登ると、大黒様の高台に出る。昔、麓の住民達が地域の守り神としてここまで担ぎ上げたものという。

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大黒様の前には、麓の集落の眺めが雄大に広がる。胸のすくような風景である。

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さらに15分ほどで御殿山頂上に着く。房総の山々にある「房州低名山」の看板の「低」の字を消している考えの足りない者がいる。


プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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