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半世紀前の話45 ガラス戸

子供の頃、家庭や学校の窓はガラス戸だった。

その頃のガラスはすぐ割れた。石でも当たれば粉々になったし、ちょっとぶつかったくらいでもすぐ欠けた。学校では多少の傷は放っておかれたし、紙を貼り付けて応急措置している家も多かったが、粉砕されてしまうとそうもいかない。

そこでガラス屋さんの登場となる。枠に合わせてガラスを寸法通りに切断し、それをうまいこと入れ替えるのだ。おそらく、建具とか小規模な大工工事とかを兼業でやっていたのだろうが、結構仕事があったように記憶している。

アルミサッシが普及したのは、鉄筋コンクリートの建物が増えた1970年代以降である。その頃から学校は鉄筋となり、木造校舎は次々建て替えられた。と同時に、かつてのガラス戸はアルミサッシとなった。

一般家庭においては、大規模公団が多く建てられるようになってアルミサッシが主流となった。当時の公団はエレベータなしの4~5階建てがほとんどだったが、建具は大量生産の規格品が便利なので、ほぼアルミサッシであった。

当時のアルミサッシはいかにも安物の窓枠という外見で、耐久性にも保温性にも問題があった。それでも木枠のガラス窓より密閉されているし、なにより現代風であるので、窓だけサッシに付け替える一戸建ても少なくなかった。

その後、サッシの窓枠はアルミから合金、ステンレス、樹脂製に、ガラスもコーティングや強化ガラスとなり、さらに二重ガラスが一般的となったため、かつてのように頻繁に取り替えられることはなくなった。

わが家のサッシも築後二十年以上経つが、破損したのは雹による被害があった時だけで(保険が下りた)、それ以外に割れたことはない。これは使う方にはたいへんありがたいことだが、製造者にとって痛しかゆしで、サッシ会社の景気はあまりよくない。

21世紀に入り、かつてのサッシ大手であるトステム、新日軽などが合併して合理化を図らなければならなくなった。建設会社もコスト削減に血眼になっているから、これから先もV字回復は難しそうだ。

さて、昔のマンガ(おそまつ君とか)には、野球をしていた子供達のボールが近所の家に飛んでいき、ガラス戸を割って親父が「こらー」と飛び出してくる場面があったが、いまの時代にはあまり出てこないだろう。

家の周囲には塀や生垣があるのが普通だし、いまのサッシは軟球ではなかなか割れない。子供が近所で野球をするなんてこともないし、そもそも子供が外でボールで遊ぶこと自体がなくなっている。

学校ではときどき、深夜にガラスを片っ端から割られたというニュースがあるが、おそらく金属バットとかで意図的に割ろうとしなければ割れるものではない。

一面ガラス張りの建物も見かけるようになってきたけれど、強風で何か飛んできて割れたという話も聞かない。ガラスが割れてガラス屋さんに来てもらわないと隙間風が吹いてやってられないというのも、われわれが最後の世代かもしれない。

p.s. 「半世紀前の話」、バックナンバーはこちら。私が10代の頃を思い出して書いてます。

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子供の頃は家庭でも学校でもガラス戸が一般的で、すぐに割れてガラス屋さんを呼ばなければならなかった。サッシの普及以来、ガラスが割れて取り替えるという話はほとんど聞かなくなった。

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Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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