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無事にと思う人が多いほど悪いことは起こらない

先週、あるイベントで事故があった。このイベントは現役時に関係していたことがある。もうリタイアして7年経つし、イベントに関わっていたのは二十年も前のことだけれど、私の時に起こらなくてよかったと思った。

私がいたらどうこう言うつもりはない(そもそも安全管理の担当ではなかった)けれども、私自身こういうことが起こらないよう神経をすり減らして、それがストレスになっていた。いま、すべての関係者がそういう覚悟で臨んでいたかどうか。

以前、知床観光船事故の時に、現場の担当者が最悪のケースを想定することの重要性について書いたことがある。ルールや手続きについてうるさく言う人がいることは、事故を未然に防ぐために欠かせないといまでも思っている。

このイベントは、北海道で数少ない全道的なイベントで、海外からも招待選手のいる大掛かりなものである。当然、主催、共催、協賛、協力などに多くの組織(国や道も含む)が名を連ねている。

しかし、開設当初は緊張感をもって運営されていたとしても、毎年開催されている間になあなあになる。例年通りであれば問題ないと思う人も多いし、TVに企業名が映れば宣伝になるとそれだけに関心のある協力企業もある。

このイベントでは死亡事故が起こり、翌日からの日程がすべて中止になった。中止に伴う後始末も大変だろう。もし私なら、事後処理の手はずを考えるだけで気が遠くなるが、もしかすると大して苦にしないのかもしれない。

うるさいことをいう奴だと思われたとしても、致命的なことが起こる前に、ルールや手続きを確認する人は必要である。そういう人が多ければ多いほど運営は緊張感をもって行われるし、カバーする範囲も広くなる。

今回は安全管理面の問題だが、これが財務であっても、広報であっても、役所対応であっても同じだと思う。「無事に」開催されることは、マスコミに採り上げられるとか、スポンサーや観客を集めることより、ずっと優先順位が高いことである。

そんなにうるさいことを言わなくたって、適当に進めていれば誰かが何とかしてくれると思っている人が多ければ多いほど、緊張感がなくなるしカバーできる範囲は狭まる。安全上の問題でなくても、いずれ何か起きることは避けられない。

こうした考え方は組織内であまり賛同を得られず、うるさいことをいう奴だとスポイルされることとなったが、結果的にそういう後悔が少ないことが、いま現在の心身の健康維持に役立っていることは確かである。

繰り返すけれど、当時多くのストレスを抱えたけれども無事イベントが行われたことは、何よりのことだったと思う。

p.s. 「なんとなく思うこと」、バックナンバーはこちら

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無事行われるようにと思って努力する人が多いほど、悪いことは起こりづらいと思う。(写真と記事とは関係ありません、一応)

プロフィール

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Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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