大阪万博と岡本太郎 ~半世紀前の話43
- 2023/08/22
- 05:15
また万博をやるからだろうか、岡本太郎が再注目を集めている。
NHKでタローマンの番宣をみて面白そうだと思ったものの、リアルタイムの岡本太郎を知らないいまの人達に受けるものだろうかと半信半疑でもあった。パロディーは、元ネタを知らないといまひとつ面白く感じないからである。
とはいえ、イギリスに住んでいないわれわれでもモンティ・パイソンを見ると面白いから、それほど心配することはないのかもしれない。加えて、岡本太郎自身にすぐれた先見性があったので、半世紀後のいまも古くさくないのである。
テーマ曲の歌詞「うまくあるな、きれいであるな、ここちよくあるな」の「な」は、感嘆の助詞ではなく、否定の助詞である。「芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」という岡本太郎の言葉を歌詞にしている。
岡本太郎の父は画家、母は文学者で、ともに有名人であった。だから、岡本太郎は二世の芸術家ということになる。いまの著名人でいうと、香川照之とか中井貴一に近いかもしれない。しかし、いまの人達は両親を知らない。岡本太郎自身がインパクトである。
大阪万博の施設はほぼすべて壊されていまは残っていないが、ただひとつ残っているのが太陽の塔である。もちろん、岡本太郎の作品である。太陽の塔には3つ顔があるが、タローマンのマスクは胸にある顔をもとにしている(あとの2つは奇獣になっている)。
TV番組「タローマン」はEテレの深夜枠で放送されたもので、1970年に制作されたという設定である。だから、わざわざ映像も古くさく、4×3で作っている場面もある。登場人物もわざわざ昭和チックな服装・メイクで登場する。
怪獣(奇獣)登場場面も、わざわざ円谷プロ(言わずもがなだが「ウルトラQ」「ウルトラマン」を制作したプロダクションである)と同じように作り込んでいる。ビルも張りぼてで、壁1枚なのですぐ壊れる。
偵察機もいまならドローンだが、わざわざ隊員全員で乗って操縦桿を握っている。電話機も車も街の様子も、どこから揃えてきたのか1970年代を再現している。
タローマンは決められた展開になるとやる気をなくすので、乱闘シーンからいきなり遊び始める。それでも、「爆発だ!!」というと、奇獣は七色にはじけて爆発する。なにしろ5分番組だから、あっという間に終わりになる。
YouTubeには過去番組がupされていて、NHKが上げているので宣伝が入らない。やたらと宣伝で中断するYouTubeでは珍しいしありがたいことである。このおかげで今年の夏は岡本太郎美術館は混みあったことだろう。
そして、今年制作の新作題名は「帰ってきた」ではなく、「帰ってくれタローマン」である。今日は、半世紀前というよりも、タローマンの話で終わってしまった。
p.s. 「半世紀前の話」、バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

また万博をやるからだろうか、岡本太郎が再注目を集めている。TAROMANはなかなか面白い。1970年に制作されたという設定で、わざと4×3画面で撮ったりしている。
NHKでタローマンの番宣をみて面白そうだと思ったものの、リアルタイムの岡本太郎を知らないいまの人達に受けるものだろうかと半信半疑でもあった。パロディーは、元ネタを知らないといまひとつ面白く感じないからである。
とはいえ、イギリスに住んでいないわれわれでもモンティ・パイソンを見ると面白いから、それほど心配することはないのかもしれない。加えて、岡本太郎自身にすぐれた先見性があったので、半世紀後のいまも古くさくないのである。
テーマ曲の歌詞「うまくあるな、きれいであるな、ここちよくあるな」の「な」は、感嘆の助詞ではなく、否定の助詞である。「芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」という岡本太郎の言葉を歌詞にしている。
岡本太郎の父は画家、母は文学者で、ともに有名人であった。だから、岡本太郎は二世の芸術家ということになる。いまの著名人でいうと、香川照之とか中井貴一に近いかもしれない。しかし、いまの人達は両親を知らない。岡本太郎自身がインパクトである。
大阪万博の施設はほぼすべて壊されていまは残っていないが、ただひとつ残っているのが太陽の塔である。もちろん、岡本太郎の作品である。太陽の塔には3つ顔があるが、タローマンのマスクは胸にある顔をもとにしている(あとの2つは奇獣になっている)。
TV番組「タローマン」はEテレの深夜枠で放送されたもので、1970年に制作されたという設定である。だから、わざわざ映像も古くさく、4×3で作っている場面もある。登場人物もわざわざ昭和チックな服装・メイクで登場する。
怪獣(奇獣)登場場面も、わざわざ円谷プロ(言わずもがなだが「ウルトラQ」「ウルトラマン」を制作したプロダクションである)と同じように作り込んでいる。ビルも張りぼてで、壁1枚なのですぐ壊れる。
偵察機もいまならドローンだが、わざわざ隊員全員で乗って操縦桿を握っている。電話機も車も街の様子も、どこから揃えてきたのか1970年代を再現している。
タローマンは決められた展開になるとやる気をなくすので、乱闘シーンからいきなり遊び始める。それでも、「爆発だ!!」というと、奇獣は七色にはじけて爆発する。なにしろ5分番組だから、あっという間に終わりになる。
YouTubeには過去番組がupされていて、NHKが上げているので宣伝が入らない。やたらと宣伝で中断するYouTubeでは珍しいしありがたいことである。このおかげで今年の夏は岡本太郎美術館は混みあったことだろう。
そして、今年制作の新作題名は「帰ってきた」ではなく、「帰ってくれタローマン」である。今日は、半世紀前というよりも、タローマンの話で終わってしまった。
p.s. 「半世紀前の話」、バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

また万博をやるからだろうか、岡本太郎が再注目を集めている。TAROMANはなかなか面白い。1970年に制作されたという設定で、わざと4×3画面で撮ったりしている。