fc2ブログ

記事一覧

感情は脳のシミュレーションだから

21世紀に入り、脳を開いたり電極を入れたりしなくても、どのように働いているかが分かってきた。これから後期高齢者に向かう私にとって、たいへん参考となる知見も多い。

すでに薄々想像がついたことではあったが、魂はなく幽霊もいない。そして、「自意識」とか「感情」も脳や体と別々にあるものではなく、その方が生存に有利だから、脳がそのようにモデルを作ってシミュレーションしているに過ぎない。

だから、「五感」とか「喜怒哀楽」なんてものはみんな実体がないと述べていた仏教は、二千年以上前から真理に近いところにいたことになる。たいしたものである。聖書も神道もそんなことは言っていない。

最近思っているのは、感情とはホルモンの出方を脳や体がどう感じているかということで、精神とかそういう形而上的レベルにあるものではないということである。

だから、「理屈はそうだけど感情が許さない」とか「なぜか分からないが腹が立つ」とかいうのも、別に第六感で目に見えないものが感じられる訳ではなく、単にホルモンが出ているだけと考える方がよさそうである。

原因がホルモンだとすると、なぜホルモンが出るのかに脳の資源を使えば余計なことを考えなくて済むし、不安に思うこともない。そういうものだと思うだけである。

ともすると感情を持つのは人間の特性と考えてしまうが、動物にも感情はある。お腹が空けば怒りっぽくなるし、満腹になれば満ち足りた気持ちになる。群れの中で地位が上がれば得意にもなるだろう。

感情に左右されるのは動物全般にいえることで、もしかすると植物にだってあるかもしれない。いずれにしても、あまり威張れたものではないといえそうである。

脳の中核は、爬虫類時代から(もしかしたら魚類時代から)変わらない。長年人間をやってきて知識も思考能力もあるのだから、感情に左右されない、少なくとも客観的にみられるようになるのが賢いのではないかと思っている。

感情は薬物によって起こすことができる(実験で確かめられている)。脳のある部分を機能させないことによって、感情のない状態を作ることも可能である。

そして、老化現象が進むと、感情を抑えることができなくなる傾向が進む。残り生存期間が少なくなるため、爬虫類時代からの脳が優勢になるからである。もう少しで後期高齢者になる私も、気を付けなくてはならない。

仏教では、すべてが無であると悟ることが平安につながると教えている。言うは易く行うは難しで、その境地に達するのはたいへん難しいが。

p.s. 老後準備編スタートしました。バックナンバーはこちら

brainimage.png
感情は脳のなかでも脊髄に近い場所、爬虫類時代の脳から発生する。だから感情に左右されるのは人間的というより動物的で、客観的にみるのが賢いやり方である。

プロフィール

taipa

Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

過去のnifty(2005-2014)、忍者(2014-2018)、当サイト(2018- )の2022年11月以前のブログ記事は、下のリンクからホームページでご覧いただけます。

カレンダー

11 | 2023/12 | 01
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -