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第71期王座戦、藤井七冠が全冠制覇に挑戦

第71期王座戦挑戦者決定戦(2023/8/4)
藤井聡太七冠 O - X 豊島将之九段

王座戦は、将棋界のオールスター戦である。持ち時間は順位戦、竜王戦に次いで長く、タイトル保持者は本戦シードなので勝ち上がり有利である。しかし、藤井七冠はこれまで挑戦どころかトーナメント序盤で敗れてきた。

第68期二次予選で大橋六段(当時)に敗れて本戦出場も果たせなかったのをはじめ、第69期には深浦九段に、第70期には再び大橋六段に本戦一回戦で敗退し、その間永瀬王座が防衛を重ねてきた。

今回のトーナメントは、名人を奪取した藤井七冠に全冠制覇が、かたや永瀬王座には永世王座が懸かる。展開が注目されたが、藤井七冠は今年も序盤であわやの場面があった。

一回戦で中川八段を下し、二回戦が村田顕弘六段である。相掛かりでは村田システムと呼ばれる必殺技を持つが、さすがに藤井七冠相手は厳しいと思われた。

ところがトーナメントの一発勝負では何が起こるか分からない。終盤まで先手・村田六段が一手勝ちの形勢を維持、藤井七冠チェスクロック5時間を使い果たして一分将棋。村田六段も残り時間6分。ここで藤井七冠が勝負手を放つ。

先手陣に詰みはなく、後手は詰めろがかかっているので解除しなくてはならない。ここで6三の銀を△6四銀と立ったのである。普通に受けていたら一手負け。しかし、この銀を角で取れば先手は詰みである。

結局自陣に手を入れなければならず、その後はお互い1分将棋になって最後は逆転、藤井七冠が最大のピンチを脱した。さらに準決勝で羽生九段を下し、初の挑戦者決定戦進出となった。

もう一つの山は渡辺・豊島の名人経験者対決。本田奎、斎藤慎太郎とタイトル挑戦者・経験者を連破した豊島九段が渡辺前名人を破って決勝進出を果たした。

豊島九段は竜王名人から無冠となった後もコンスタントに勝っており、前期王座戦の挑戦者でもあった。タイトル奪回にはいずれにしても藤井七冠の壁を突破しなければならない。

挑戦者決定戦は8月4日。例年よりやや遅れたのは、藤井七冠が勝ち残った上に王位戦・棋聖戦のダブルタイトル戦でスケジュールに空きがほとんどなかったからである。

振り駒で藤井七冠が先手。後手の豊島九段が角交換を拒否して雁木に組む。終盤まで互角の展開で夜戦へ。

ここから予想外の展開となる。チェスクロック5時間を使い切り、両者1分将棋。1分では読み切れない難しい局面となり、ともにミスがあって形勢は二転三転する。

AIでは豊島九段が余していたのだが両者ともその手順に気づかず、最後は藤井七冠が押し切り、初の王座戦挑戦。あわせて全冠制覇に挑戦することとなった。

最後は指運が大きな比重を占めたが、運も実力のうち。いまだ番勝負無敗の続く藤井七冠の全冠制覇は目前といっていい。

永世(名誉)称号の懸かる永瀬王座に勝たせたいファンもいるだろうが、チャンスに後ろ髪はないという例えもある。30年前に羽生が全冠制覇した頃(当時は七冠)、このまま大山・中原に続く長期政権になるのは確実と思われた。

ところが、同世代のライバル森内、佐藤康光とタイトルを獲ったり獲られたりし、年少の渡辺明には竜王の長期政権を許した。いまは無敵の藤井七冠だが、数年後はどうなるか分からない。

藤井全冠制覇は8割方成ると予想するが、獲れるときに獲っておかないと次のチャンスは来ないかもしれない。王座戦五番勝負はかなりの注目を集めることになるだろう。

p.s. 将棋関連記事のバックナンバーはこちら

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第71期王座戦決勝トーナメント二回戦。村田六段が角道を開けない「村田システム」でリードを奪うも、△6四銀が勝負手。角で銀を取ると▲5九金△同玉▲5七香以下先手が詰むので取れない。お互い1分将棋となり、最後は藤井七冠が逆転した。

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