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瀬戸内の島々も一望できる宿坊 五十八番仙遊寺(後編)

宿坊である創心舎は本堂の横の真新しい建物である。入ってすぐに食堂があり、すでにこの時間から支度している係の人がいた。私が最初かと思ったら、すでに到着した人がいて、2番目だった。

「お風呂はいま用意していますので、後ほど声をおかけします。お茶とコーヒーはこちらに用意していますので、ご自由にお飲みください。夕食は6時からです。明日朝のお勤めは、夕食の時にお寺から説明があります」

見たところ、お茶の用意はあるが自販機はなく、好きな飲み物を買って飲むという訳にはいかないようだ。もしや、酒・ビールもないかもしれないと心配になったが、後からコインランドリーに行くと横にビールのケースがあったのでちょっと安心する。結局、非常食等は補充できなかったが、出されたものを食べていれば特に不便はない。

宿泊室は2階。階段を上がってすぐ大広間で、サンドバックが置かれていた(翌朝のご住職の話からすると、空手教室で使っていたらしい)。広くとられた窓からは翌日に下りる今治市東部の眺めが広がり、もちろん瀬戸内海の島々も一望できる。

霊場記が「逸景いづれの処より飛び来る。ただ画図に対する如しとなり 」と述べている、まさにそのとおりの絶景であった。

案内された部屋は6畳くらいの板張りの部屋で、畳ベッドが置かれていた。奥にユニットのバス・トイレが付いており、こちらも使っていいとのことであった。部屋の窓からは、さきほどの大広間とは角度が異なり、木の枝の間から今日登ってきた犬塚池・八幡宮の方向が見えた。

コインランドリーの洗濯機はいま風ではなく旧式の輸入品で、最近では函館市内の富岡温泉近くで使ったのと同じ型であった。洗濯機に入れてすぐにお風呂の用意ができたとの連絡があり、私の前に来ていたと思われる佐渡からのお客さんと一緒だった。

翌日のご住職のお話によると、弘法大師ではなく私が掘った温泉だということであったが、県の調査した泉質表も貼られているちゃんとした温泉である(アルカリ性単純泉だったと思う)。湧出温度は10℃ほどなので鉱泉ではあるが、肌にすべすべして心地がいい。

お湯に漬かりながら、「ご住職のお話は長いらしいですよ」とか「ここの精進料理は本当に精進料理だ」とかお話しする。考えてみれば、お遍路さんと話をするのは前年の浄瑠璃寺、長珍屋以来のことであった。

部屋に戻り、洗濯物を乾燥機に移して少しうとうとする。乾燥機の方はいま風で、100円12分の時間制である。ホテルの乾燥機だと200円で60分使うとふわふわに仕上がるのだが、200円分だけ使ってあとは部屋干しする。幸い、速乾白衣はこの時間でも乾くし、CW-Xやウーロンのアンダーウェアは脱水だけで乾燥機にはかけない。

午後6時、夕食の時間となった。赤いお膳に、玄米ご飯、お吸い物、野菜天ぷら、野菜の煮物、高野豆腐、切干大根といったすべて野菜の精進料理である。ビールもお願いできたので、ひとまず安心。前日のカップラーメンに比べれば、ボリュームも十分だし何も言うことはない。

ただ、十年前に高野山に泊まった時の精進料理と比べると、少しだけボリュームが足りないような印象があった。とはいえ値段も違うので贅沢は言えないし、一日歩いてきたのでそう思うのかもしれない。こちら仙遊寺は1泊2食6,000円と信じられないくらいの格安なのである。

こちらの宿には食堂以外の場所にTVがなく、wifiが通じるのも食堂近辺に限られる。とはいえ、この山の上でネットが通じるだけでもありがたいことである。部屋にTVがあったとしても見ないし。

歯を磨いて翌日歩く場所を下調べして、午後8時には寝てしまった。この日の歩数は19,944歩、GPSによる移動距離は10.2kmとたいへんのんびりした一日でした。

(この項続く)

p.s. 「四国札所歩き遍路」のバックナンバーはこちら。モバイルフレンドリー対応済。



宿坊・創心舎。本堂とは棟続きで雨に濡れずにお勤めすることができる。


宿坊展望室からの眺め。今治市街・瀬戸内海を一望することができる。


仙遊寺宿坊の精進料理。禁アルコールかとひやひやしましたが、ビールを飲むことができました。

プロフィール

taipa

Author:taipa
3年前にリタイア、気ままなリタイア生活を送っています。
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