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下山時に清水で生き返る 女峰山(完結編)

登る途中に霧が上がってきたので覚悟していたものの、日光方面は白く曇って男体山も白根山も見えない。見通しが利いたのは北方向で、栗山村の山々と、その向こうに燧ヶ岳の頂上が顔をのぞかせている。

東側は、何とか見えているのは三角点峰とその1つ向こうのピークだけで、赤薙山も霧降高原も見えない。きっと向こうからはこちらが雲の中だろう。三角点峰も行ければよかったが、時間的に厳しかったので断念した。

頂上まで6時間少々かかった。12時少し前に下り始める。計画していたうちでも遅い時間になったが、暗くなる前に下山することができそうだ。心配されるのは、急に雷雨になることである。すでに霧降方面はそうなっているかもしれない。

唐沢小屋への下りで、左方向、小屋の上あたりにピークが見えた。2359ピークと思われる。ここはかつての五禅頂で錫杖嶽と呼ばれた拝所で、独標点にもなっている。独標なので道はあるだろうが、どうやって行くのだろうか。

ここで、この日2度目の道間違いをした。林間のガレ場を下りていて、登山道から外れてしまったのである。GPSを見ると数十m右にずれているので、登り返して正規の登山道に復帰した。それほど時間ロスはなかったと思う。

唐沢小屋まで下りると、すでに霧であたりは白くなっていた。頂上から下りるのに1時間かかってしまったので(コースタイム30分ではちょっと無理である)、少し休んで出発する。

さて、小屋には「水場まで10分」と書いてあるのだが、とてもそんな時間では着かない。無人小屋だから山慣れた人を想定しているし、水場往復は空身だろうけれど、そんなに急いだら滑ってケガをする。私は水場まで20分かかった。

「水場」と書いてある太いパイプから出る水と、流れの中に引かれた黒いホースから出る水があるが、私は黒いホースから水を汲んだ。一口飲んでびっくりした。

ずいぶん前になるが、甲武信ヶ岳直下の信濃川源流の清水を思い出した。どのような水か心配で予備の水を用意していたが、そんな心配などまったく無用であった。

前日に市内では雷雨だったが、この水は間違いなく地中深くで濾過され冷やされた水である。空のペットボトルに500ml詰めて、飲みながら下った。志津峠まで約3時間、その間ずっと冷え冷えの水で回復を図ることができた。

帰り道では志津峠までの登り坂に体力を殺がれたが、心配していた雨に降られることもなく、まだ太陽が高い午後5時半に梵字飯場跡に戻ることができた。登り下りで約12時間、久々に体力をフルに使った1日でした。

この日は後泊で東横インをとってあったので、着替えて汗を拭いてから中禅寺湖畔を走り、いろは坂を下って、日光道経由鹿沼まで高速を使った。翌日は太もも、ふくらはぎ、ハムストリングが痛んだが、2日したら回復した。

これで念願だった女峰山も制覇し(残念ながら三角点峰はのがしたが)、日光方面の懸案がひとつ片付いた。とりあえず思うのは、この次は12時間も歩かなくてすむよう、ほどほどの山にしたいということである。

この日の経過
梵字飯場跡(1500) 5:25
6:40 志津峠(1785) 6:50
7:55 馬立分岐(1800) 8:00
9:10 標高1980付近(1980) 9:15
10:25 唐沢小屋(2240) 10:35
11:40 女峰山(2483) 11:55
12:55 唐沢小屋(2240) 13:05
15:10 馬立分岐(1800) 15:15
16:15 志津峠(1785) 16:25
17:30 梵字飯場跡(1500)
[GPS測定距離 22.5km]

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

KIMG0646.jpg
赤薙山方向はほとんど霧の中。近いのは三角点ピークと思うが、思ったより遠くにあるので断念した。

KIMG0645.jpg
日光方面はすべて霧の中で、かろうじて見えていたのは栗山村から尾瀬方面だけだった。

07_nyohosan.jpg
「10分」と書いてあるが、実際は唐沢小屋から20分かかる水場。でも、すごくよく冷えた清水で、この日の苦労が報われた。

プロフィール

taipa

Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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