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空気の記憶 ~せいうち日記173

いきなり暑くなったので、ゴールデンウィーク明けから早朝にランニングしている。

近くの公園にある高さ40mほどの築山にウォーミングップを兼ねて歩いて登った後、準備体操をして1周400mの遊歩道を走る。去年は28年ぶりだったので2~3周から始めたが、今年は時間が許せば10周している。

築山に登ると、わずか20mほどの標高差でも涼しい風が吹いてくる。気温も湿度も、昔足しげく通った北海道の空気によく似ている。梅雨の前後で前線が南にあると、北海道の夏の気圧配置によく似ているからだろう。

景色とか食べ物の記憶が長く残るのは分かるけれど、空気の記憶が残るというのは面白いと思う。空気というのは気温、湿度、風向き、降水量などさまざまの要素があるのだろうけれど、数十年前に感じたことがいままさに蘇ってくる。

若い頃にはまだ、日本最高気温が山形市の40.8℃という時代だった。関東地方では夏でも32~33℃がピークで、35℃なんてほとんど記憶にない。ところが、いまや35℃は当り前で、北海道ですら32℃くらいに上がることは結構ある。

だから、もしいま北海道に行ったとしてもこの空気ではないかもしれないが、記憶だけは残っている。ああ、これは北海道の空気だったと思う。

なにしろ、かなり遅くまで北海道にはエアコンというものがなくて、冷房普及率は5割以下であった。ちょうど子供を連れて北海道に行っていた30年くらい前が端境期で、冷房のない宿に泊まって大汗をかいたことがある。

はじめて北海道に行ったのは学生の頃だが、真夏なのにこんなに涼しいんだと思ったものである(ユースホステルなので、もちろん冷房はない)。30年前も稚内の最低気温は10℃以下で、夜など寒かったくらいである。

だから、チャンスがあれば北海道に住みたいと思ったものだったが、残念ながらいまでは本州並みに暑くなってしまった。釧路あたりはまだ涼しいのだが、すぐ近くの帯広と10℃違うなんてこともある。

だからこうやって朝早く起き、風の通る高い場所に行って昔の北海道を思い出すことしかできない。それだって、あと1ヶ月もすると空気が変わってしまって、築山くらいでは息苦しくなってしまう。

空気といえばもう一つ思い出すのは、サイパン空港に下りた時の何ともいえない空気である。暑いのは暑いのだけれど、湿度はそれほどでもなくて、南国特有の匂いがする。入国手続きで空港ビルを通るたびに、「ああ、サイパンだ」と思ったものである。

この話をすると長くなるので、また機会があれば。

p.s. 「せいうち日記」、バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

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暑くなってきたので、朝早く近所の公園に行って築山に登る。20mほどの標高差でも、高い所の空気は昔の北海道を思い出させる。

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taipa

Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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