ディープインパクト産駒、英国ダービー制覇
- 2023/06/06
- 05:15
6月3日に行われた伝統の英国ダービーで、ディープインパクト産駒のオーギュストロダンAuguste Rodinが快勝、これは日本の競馬界・馬産界にとってすごいことである。
世界の競馬でどのレースが別格かといって、英国ダービーと凱旋門賞をあげることに異議のある人はほとんどいないだろう。そして、凱旋門賞は何回でも挑戦できるのに対し、ダービーは明け3歳の一度しか挑戦できない。これを勝つというのは大変なことなのである。
その昔、ジャパンカップで日本のトップクラスが世界の二線級に敵わなかった頃から競馬を見ている。当時は父内国産というレースすらあって、父が輸入馬でない馬は能力的に劣るとさえみられていた。
いまや、ジャパンカップで外国馬が上位に食い込むことはほとんどない。競走馬の父で日本産馬でない馬を探す方が難しい。ここ20~30年でそれだけ日本の競馬はレベルアップしたのである。
そのディープインパクト、父がケンタンキーダービー馬サンデーサイレンス。父も1995年から2007年までリーディングサイアー(産駒の賞金獲得額トップ)。ディープ自身も2012年からリーディングサイアーである。
ヨーロッパでは、いまやガリレオ産駒が大レースを軒並み制しており、次の関心は、多くなってしまったガリレオ系牝馬にどの種牡馬を配合させるかということになりつつある。
ディープ産駒では2018年の2000ギニーを制したサクソンウォリアーSaxon Worrior が、初の英国クラシック勝ち馬である。一昨年英・愛オークスを圧倒的大差で勝ったスノーフォールSnow Fallも、ディープ産駒で母父ガリレオである(スノーフォールは惜しくも、馬房内の事故で死亡)。
言うまでもないが、欧州各国や米国の種牡馬でも、子供が英国クラシックを勝っていない例は山ほどある。対して、日本以外で走ることの少ないディープ産駒がこうして3頭のクラシックホースを出すということは、すごいことである。
英国だけではなく、フランス版2000ギニー、ダービー、オークスもディープ産駒が勝っているし、米ブリーダーズカップも、ラヴズオンリーユーがターフを勝っている。南半球のGIもいくつか制している。
欧米の競馬先進国で日本馬がこれだけ注目を集めることは、私が生きている間に起こるとは思えなかったことである。
いまや世界の父系の9割以上を占めるだろうネアルコNearcoはイタリア産馬だし、ネアルコを追う存在であるノーザンダンサーNorthern Dancerもカナダ産馬である。しかし、彼らが種牡馬として供用されたのは英国であり米国であった。
日本馬がそのように注目されるのは、私のイメージではアルゼンチン産馬やドイツ産馬の産駒が英国クラシックを勝つのと同じくらい、信じられないことなのである。
オーギュストロダンの勝ち方も素晴らしかった。2番人気という高い支持を集め、外外を回って直線抜け出す強いレースで、展開のアヤとかうまく前が開いたという勝ち方ではなかった。
おそらく現3歳世代が相手なら、この後もいくつかGIを勝てるであろう。ブックメーカーのオッズでは、秋の凱旋門賞の一番人気になっているそうだ。(スノーフォールの例があるので、それよりも早く種牡馬になってほしいが)。
日本にももちろん、キズナをはじめとする後継種牡馬もいるし、親子三冠のコントレイルもいる。
キズナは、オーギュストロダンと同様、ディープインパクトにノーザンダンサー系牝馬の血統である。日本ダービーを勝っているが、ニエル賞GⅡ優勝、凱旋門賞4着とヨーロッパでの実績もある。
そのキズナ産駒のソングラインが、英国ダービーの翌日行われた安田記念で連覇を果たし、GI3勝目を挙げた。ディープインパクト自身はすでに死亡してオーギュストロダンが最終世代となるが、まさに最後の大仕事であった。

3日に行われた英国ダービーは、ディープインパクト産駒のオーギュストロダンが快勝した。ディープ産駒はこれまで英2000ギニーと英オークスは勝っているのだけれど、ダービーはまた別格。すごいことです。
世界の競馬でどのレースが別格かといって、英国ダービーと凱旋門賞をあげることに異議のある人はほとんどいないだろう。そして、凱旋門賞は何回でも挑戦できるのに対し、ダービーは明け3歳の一度しか挑戦できない。これを勝つというのは大変なことなのである。
その昔、ジャパンカップで日本のトップクラスが世界の二線級に敵わなかった頃から競馬を見ている。当時は父内国産というレースすらあって、父が輸入馬でない馬は能力的に劣るとさえみられていた。
いまや、ジャパンカップで外国馬が上位に食い込むことはほとんどない。競走馬の父で日本産馬でない馬を探す方が難しい。ここ20~30年でそれだけ日本の競馬はレベルアップしたのである。
そのディープインパクト、父がケンタンキーダービー馬サンデーサイレンス。父も1995年から2007年までリーディングサイアー(産駒の賞金獲得額トップ)。ディープ自身も2012年からリーディングサイアーである。
ヨーロッパでは、いまやガリレオ産駒が大レースを軒並み制しており、次の関心は、多くなってしまったガリレオ系牝馬にどの種牡馬を配合させるかということになりつつある。
ディープ産駒では2018年の2000ギニーを制したサクソンウォリアーSaxon Worrior が、初の英国クラシック勝ち馬である。一昨年英・愛オークスを圧倒的大差で勝ったスノーフォールSnow Fallも、ディープ産駒で母父ガリレオである(スノーフォールは惜しくも、馬房内の事故で死亡)。
言うまでもないが、欧州各国や米国の種牡馬でも、子供が英国クラシックを勝っていない例は山ほどある。対して、日本以外で走ることの少ないディープ産駒がこうして3頭のクラシックホースを出すということは、すごいことである。
英国だけではなく、フランス版2000ギニー、ダービー、オークスもディープ産駒が勝っているし、米ブリーダーズカップも、ラヴズオンリーユーがターフを勝っている。南半球のGIもいくつか制している。
欧米の競馬先進国で日本馬がこれだけ注目を集めることは、私が生きている間に起こるとは思えなかったことである。
いまや世界の父系の9割以上を占めるだろうネアルコNearcoはイタリア産馬だし、ネアルコを追う存在であるノーザンダンサーNorthern Dancerもカナダ産馬である。しかし、彼らが種牡馬として供用されたのは英国であり米国であった。
日本馬がそのように注目されるのは、私のイメージではアルゼンチン産馬やドイツ産馬の産駒が英国クラシックを勝つのと同じくらい、信じられないことなのである。
オーギュストロダンの勝ち方も素晴らしかった。2番人気という高い支持を集め、外外を回って直線抜け出す強いレースで、展開のアヤとかうまく前が開いたという勝ち方ではなかった。
おそらく現3歳世代が相手なら、この後もいくつかGIを勝てるであろう。ブックメーカーのオッズでは、秋の凱旋門賞の一番人気になっているそうだ。(スノーフォールの例があるので、それよりも早く種牡馬になってほしいが)。
日本にももちろん、キズナをはじめとする後継種牡馬もいるし、親子三冠のコントレイルもいる。
キズナは、オーギュストロダンと同様、ディープインパクトにノーザンダンサー系牝馬の血統である。日本ダービーを勝っているが、ニエル賞GⅡ優勝、凱旋門賞4着とヨーロッパでの実績もある。
そのキズナ産駒のソングラインが、英国ダービーの翌日行われた安田記念で連覇を果たし、GI3勝目を挙げた。ディープインパクト自身はすでに死亡してオーギュストロダンが最終世代となるが、まさに最後の大仕事であった。

3日に行われた英国ダービーは、ディープインパクト産駒のオーギュストロダンが快勝した。ディープ産駒はこれまで英2000ギニーと英オークスは勝っているのだけれど、ダービーはまた別格。すごいことです。