中高年の山歩き 黒岩尾根五禅頂修行道(前編)
- 2023/06/29
- 05:15
鳴虫山の翌日は一日中雨で、1日順延せざるを得なかった。前の週には晴れ予報だったのに一転して雨で、しかも栃木全域に雷注意報が出ている。さすがに停滞することにした。
そうなると五禅頂修業道は翌24日となり、24日に予定していた図書館調べを23日に早めることになる。24日は下山日なので、家まで車で帰るのは難しい。仕方がないので追加で東横インを予約した。
前日の鳴虫山でヒルに吸血され血が止まらなくなったが、翌朝には止まった。サポーターを付けて寝たので朝は足首から先が黒ずんでいたが、それが取れると小さくかさぶたになっているだけである。後遺症の心配はなさそうだ。
さて、図書館で何を調べるのかというと、昔修験道で修行に使ったという道についてである。池田正男著「日光修験・三峯五禅頂の道」という本がいちばん詳しそうだ。
ところがこの本、国会図書館の他には栃木県内の図書館にしか置いていない。日光市内の図書館は、3ヶ所ともこの本が置いてあるので、もし誰か貸りていても1冊はあるだろう。せっかくだから、行く予定にしていたのだ。
しかし、天候上やむなく1日ずらすことになり、登る前日に調べることができたのはかえっていいことであった。というのは、江戸時代の山伏(修験者)が実際に歩いた日程等も載っていたからである。
それによると、登りでも下りでも、唐沢宿(現在の唐沢避難小屋)から一之宿(行者堂付近)までは丸一日の行程で、途中の八風でお昼をとったらしい。
もちろん、修行だから拝所ごとにお勤めがあり、お経を唱えたり九字を切ったり法螺貝を吹いたので時間がかかるのだが(四国お遍路と同じである)、山伏以上に速く歩くのは無理だろうから、一日で女峰山往復などとんでもないことなのであった。
ガイドブックには夏なら日帰り可能みたいに書いてあるし、WEBではそういう記録もあるのだが、山伏でもできないことが私にできるとは思えない。それ以上に心配なのは、暗くなった時に歩ける道なのか、休んだり雨宿りする場所があるかどうかである。
あれこれ考えて、黒岩の先、遥拝石を目的地とすることにした。ここは、雲竜渓谷を挟んで赤薙山を拝む場所で、女峰山への稜線を望む絶好のロケーションという。ここで引き返せば、無理のない時刻に下山できるだろう。
だとすればそれほど早起きしなくてもよさそうだったが、前日を休養日にしたので午前3時に目が覚めてしまい、4時過ぎにはホテルを出発できた。西参道市営駐車場に着いたのは5時前である。
前々日に1度止めているので、カードが出ないことも分かっているしトイレの場所も確認してある。準備をして5時過ぎに出発。まずは二荒山神社へと石畳の道を登って行く。
鳥居のところにお賽銭箱があったので、お賽銭を納めて二礼二拍手一礼で登山の安全をお願いする。神社の左に石畳の道が登っていて、この道は行者堂へと続いている。
(この項続く)
p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

女峰山五禅頂登山道は二荒山神社から始まる。まず石畳を左に進んで行者堂を目指す。

石段を20分ほど進むと役行者を祀る行者堂に着く。お堂のレベルまで上がると、左に「女峰山→」の案内と登山ポストがある。

登山道はいきなり急登である。林道と合流するがすぐに分離し、急登を登りつめると目の前に巨大な殺生禁断境石が現れる。
そうなると五禅頂修業道は翌24日となり、24日に予定していた図書館調べを23日に早めることになる。24日は下山日なので、家まで車で帰るのは難しい。仕方がないので追加で東横インを予約した。
前日の鳴虫山でヒルに吸血され血が止まらなくなったが、翌朝には止まった。サポーターを付けて寝たので朝は足首から先が黒ずんでいたが、それが取れると小さくかさぶたになっているだけである。後遺症の心配はなさそうだ。
さて、図書館で何を調べるのかというと、昔修験道で修行に使ったという道についてである。池田正男著「日光修験・三峯五禅頂の道」という本がいちばん詳しそうだ。
ところがこの本、国会図書館の他には栃木県内の図書館にしか置いていない。日光市内の図書館は、3ヶ所ともこの本が置いてあるので、もし誰か貸りていても1冊はあるだろう。せっかくだから、行く予定にしていたのだ。
しかし、天候上やむなく1日ずらすことになり、登る前日に調べることができたのはかえっていいことであった。というのは、江戸時代の山伏(修験者)が実際に歩いた日程等も載っていたからである。
それによると、登りでも下りでも、唐沢宿(現在の唐沢避難小屋)から一之宿(行者堂付近)までは丸一日の行程で、途中の八風でお昼をとったらしい。
もちろん、修行だから拝所ごとにお勤めがあり、お経を唱えたり九字を切ったり法螺貝を吹いたので時間がかかるのだが(四国お遍路と同じである)、山伏以上に速く歩くのは無理だろうから、一日で女峰山往復などとんでもないことなのであった。
ガイドブックには夏なら日帰り可能みたいに書いてあるし、WEBではそういう記録もあるのだが、山伏でもできないことが私にできるとは思えない。それ以上に心配なのは、暗くなった時に歩ける道なのか、休んだり雨宿りする場所があるかどうかである。
あれこれ考えて、黒岩の先、遥拝石を目的地とすることにした。ここは、雲竜渓谷を挟んで赤薙山を拝む場所で、女峰山への稜線を望む絶好のロケーションという。ここで引き返せば、無理のない時刻に下山できるだろう。
だとすればそれほど早起きしなくてもよさそうだったが、前日を休養日にしたので午前3時に目が覚めてしまい、4時過ぎにはホテルを出発できた。西参道市営駐車場に着いたのは5時前である。
前々日に1度止めているので、カードが出ないことも分かっているしトイレの場所も確認してある。準備をして5時過ぎに出発。まずは二荒山神社へと石畳の道を登って行く。
鳥居のところにお賽銭箱があったので、お賽銭を納めて二礼二拍手一礼で登山の安全をお願いする。神社の左に石畳の道が登っていて、この道は行者堂へと続いている。
(この項続く)
p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

女峰山五禅頂登山道は二荒山神社から始まる。まず石畳を左に進んで行者堂を目指す。

石段を20分ほど進むと役行者を祀る行者堂に着く。お堂のレベルまで上がると、左に「女峰山→」の案内と登山ポストがある。

登山道はいきなり急登である。林道と合流するがすぐに分離し、急登を登りつめると目の前に巨大な殺生禁断境石が現れる。