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第64期王位戦、佐々木大地七段ダブル挑戦へ

第64期王位戦挑戦者決定戦(2023/05/18)
佐々木大地七段 O - X 羽生善治九段

第64期王位戦リーグは、四強の残り3名がリーグにいたにもかかわらず、挑戦者決定戦に勝ち上がったのはレジェンド羽生九段と佐々木大地七段であった。

紅組は新進気鋭の服部六段と徳田四段、加えて永瀬王座が予選を勝ち上がり激戦が予想された。予想通り6名全員が2勝以上をあげる潰し合いとなったが、挑戦権争いは残留組の豊島九段と羽生九段。最終局で豊島九段を下した羽生九段が挑戦者決定戦に駒を進めた。

白組は渡辺名人と増田七段が予選突破。残留組の佐々木七段と渡辺名人のトップ争いとなり、第4局で直接対決を制した佐々木七段が全勝でリーグを突破した。

佐々木七段は王位リーグ残留は何度もあるが、挑戦者決定戦まで残ったのは初めて。先日の棋聖戦でもトーナメントを勝ち抜いており、タイトル挑戦となれば藤井六冠との十二番勝負となる。

挑戦者決定戦は5月18日に行われた。振り駒の結果佐々木七段の先手となり、得意の相掛かりに持ち込む。金が7七で止まっている佐々木七段に対し、羽生九段は速攻を見せ敵陣に竜を作った。

下図は午後6時半の終盤戦。バランス型で組んでいたはずの佐々木七段が金銀四枚の堅陣となり、一方の羽生九段は美濃囲いにしていた銀が6三に吊り上げられている。

難解な終盤戦だが玉の堅さに差があり、玉頭から逆襲した佐々木七段が激戦を制し挑戦権を手にした。

数年前から若手有望株としてタイトル挑戦間近のところまで勝ち上がっていた佐々木七段だが、ここへきてようやく華々しい場面に登場することとなった。

そして、棋聖戦では永瀬王座、王位戦では渡辺名人と藤井六冠以外のタイトル保持者を下しての挑戦だから価値がある。藤井六冠を追う棋士が誰になるのか注目されるが、佐々木七段もその位置を確保したいところだ。

藤井六冠の壁は分厚いが、過去の対戦成績は2勝2敗で勝負付けは済んでいない。何しろ相掛かりという得意戦法があり、居飛車党の藤井六冠は受けて立つだろうから、お互いに一歩も引かない勝負になるだろう。

ただ、心配があるとすれば長い持ち時間の将棋があまり得意とは思われないことである。佐々木七段は順位戦C級2組で何回も次点で昇級を逸しており、竜王戦でも6組突破に時間がかかっている。

その意味からすると、2日制の王位戦でどういう対局となるのか、たいへん興味深いと思っている。

p.s. 将棋記事のバックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

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第64期王位戦挑戦者決定戦。リーグ戦の常連ながら初めて決定戦に勝ち上がった佐々木大地七段が、羽生九段を破って挑戦権を手にした。さきの棋聖戦に続き、これで藤井六冠との十二番勝負となる。

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