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せっかくコロナでいい習慣ができたのに

先週末に佐倉マラソンで10km走った。その時ちょっと思ったこと。

配られた開催要項には、コロナ感染防止対策として、会場内には選手以外入れないし、沿道の応援も自粛と書いてある。お国が自己判断でいいと決めたから沿道の応援まで口出しできないとしても、少なくとも役員や運営側は開催要項に沿った対応をすべきではないだろうか。

ところが、コース監視の係員は、「がんばれ、もう少し」だの「あと何km、登り坂はここまで」だのツバを飛ばしながら大声を出している。マスクもせずにである。雨の中だからうっとうしいのは分かるが、だったらなぜ参加者だけに感染対策を強制するのだろう。

もともと、私はがんばれと言われるのが好きじゃない。がんばろうと思えば言われなくてもがんばるし、マイペースでいいと思えばそうする。他人にあれこれ言われることじゃないと思うし、「呪いの言葉」じゃないかと思うくらいである。

まあ、世の中にはがんばれと言われて励みになる人が多いのかもしれない。それは人それぞれだとしても、コロナで人前で大声を出さない、ツバを飛ばさないといういい習慣がせっかくできたのにと思う。

今回のマラソン大会でも、走りながらしゃべっているグループはいるし(走っているから当然マスクはしていない)、会場内は選手だけという取り決めなのに付き添いの人もかなり見た。もちろんしゃべりまくりだし、密である。雨でみんな建物周辺を歩くから、さらに密である。

一方で参加者には感染対策でかなりの負担を強いている。検温ブースは大混雑で、スタートに間に合わない人が続出したという話だし、検温を通過してリストバンドをしないと会場内に入れないというのに、ちゃちな紙を巻くだけだし、それも雨に濡れてほとんど役に立たない。会場に行く途中、外れたリストバンドがいくつも落ちていた。

参加者だけに感染対策させて自分達は何もしない運営側については、そういう人達がやっている大会だと思うしかないが、コロナでできたいい習慣があっという間になくなるのは、日本人の意識の低さを示している。

山歩きをしていても、マスクをしろとまでは言わないが、すぐ近くで「こんにちは」はツバを飛ばし合うだけで嫌だ。せっかく会釈して小声であいさつという習慣ができかけたのに、このままではすぐ元の木阿弥になるだろう。

内田樹先生によると、唾液の交換は親密度を表現する手段だということだが(回し飲みなどはその名残り)、少なくとも感染症を広げることは間違いないし、そんなことをしてまで見知らぬ他人と親密になりたくない。

昔、銀行にいた時、来店客に大きな声であいさつするのは防犯対策だと聞いたことがある。店に入って来る人に「いらっしゃいませ」とあいさつすることで「私たちはあなたのことを見ていますよ」と信号を送っている。それで、悪いことをしようとする人は躊躇するという。(防犯訓練で警察の人が言っていたと思う)

逆に外国で(特にアメリカで)店に入る時は、入る客の方が大声であいさつする。銃を持っているかもしれない店員に、「私はあなたを見ていますよ」と知らせるためである。

だから本当は、敵でない人間に大声をあげるのは礼を失したふるまいなのである。会釈や拍手で差し支えないし、聞こえる程度の大きさが許される範囲だと思う。繰り返しになるけれど、せっかくコロナでそういう常識ができかけたのに残念なことである。

p.s. 「なんとなく思うこと」、バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので不具合あればご容赦ください。

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唾液の交換は親密度の表現だそうだが、個人的には病気を伝染されても仕方ない範囲での話で、不特定多数の人達と交換したくない。せっかくコロナでいい習慣ができたのにと思う。

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Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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