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国有林における登山について 尖浅間山から周回コース(後編)

ところが、道が合流して沢を遡っても、なかなか前年に引き返した場所に着かない。当時のGPSでは東城寺の上まで来ているのだが、そこからの道はまっすぐには下りていないのである。

森の中を右に左に進み、何ヶ所かで分岐がある。どちらに進む道もそれなりにしっかりしている。国有林の立札も再び出てきて、おじさんの言う今朝立てていたという立札がどれなのかよく分からなくなった。

立札で注意喚起するところでは、国有林では歩道の作設、備品の設置等はできないそうである。ということは、歩きやすくするために下草や竹薮を刈り払ったり、ベンチを置いたりするのもNGである。小町山周辺では、頻繁に行われていることである。

おそらく小町山ボランティアは、塚田陶管には仁義を切ったものの、森林管理署にはしなかったようである。まあ、正面から言っても断られただろうが。

房総でも奥多摩でも国有林の中を通る登山道は多いが、その多くは1/25000図に載らない。管理用道路なので、本来は登山に使用してほしくない。だから案内もないし地図にも載せないということなのである。

かなり前になるが、房総の石尊山で高齢者ハイカーの遭難騒ぎがあった。彼らが迷い込んだのも国有林の管理用道路で、1/25000図の点線よりもずっと道らしい道である。だから、この道で間違いないと思ってしまったのだ。

おじさんのアドバイスと立札の存在で、なぜこの山域に地図にない道が多いのか理由が分かった。しかしさすがに国有林は国であるので、登山者が入ること自体をとがめるまではしない。自己責任で、遭難しないようにしてくださいというだけである。

何回か分岐があって方角を確かめ、少し標高を上げたところでいつか見た景色の場所に出た。前回、引き返したあたりである。ここから小町山のハイキングコースまで約20分、A-4分岐から1時間かかってようやく一般登山道に復帰した。

下の写真は1/25000図にない国有林の登山道である。岩が突き出ることもなく、木の根が張り出すこともない歩きやすくいい道である。にもかかわらず、このルートは地図に載っておらず公表されてもいない。

地元土浦市の消防本部が作っているハイキングマップがある。道迷いで救助要請があったのかもしれない。ところが、国有林に入ってからの地図は載っていない。ベンチがあって消防のポスターも貼ってあるのだが、おそらくどこかからクレームが出たのである。

国有林の中にも、わりとオープンに登山道としての利用を認めているところもあれば、こうしてナーバスな場所もある。それでも、登山者を黙認してくれるのであれば、よしとしなければならないのかもしれない。

ハイキングコースに合流して、尾根を少し登ると松の木広場である。付近は木々を伐採して、テーブル付ベンチが4つ5つ置かれている。おそらく、国有林でこれをされたら困るということなのだろう。

思ったより時間がかかったが、想定したルートを踏破することができた。1時間半ぶりにリュックを置いてひと休みする。この日は風が強くなったので、EPIガスは使わずにアンパンとミネラルウォーター、みかんパックでお昼にした。

A-4分岐から三叉路までにトレランの2名とすれ違った後、国有林の中では誰とも会わなかった。が、さすがに小町山、にぎやかな声も聞こえてくる。ここから宝篋山までは、結構人通りの多い道となる。

(この項続く)

p.s. 「中高年の山歩き」バックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

hokyosan23_03.jpg
普通の登山道よりかなり立派な道だけれど、電子国土にも1/25000図にも載っていない。これはなぜかと思っていたら・・・。

SH3B0338.jpg
ここは国有林なので木の伐採や歩道の整備、ベンチ等の設置はいかんというお達し。奥多摩や房総でよく見る作業道という扱いなので地図には載せないようです。

KIMG0564.jpg
1時間ほど国有林を歩いて小町山遊歩道に復帰、松の木広場でお昼休憩をとった。

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Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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