fc2ブログ

記事一覧

第48期棋王戦、藤井竜王六冠達成

第48期棋王戦五番勝負(2023/2/5-3/19)
藤井聡太竜王 3-1 渡辺明名人

第48期棋王戦五番勝負は予想通り藤井竜王が3-1で勝利、渡辺棋王の長期政権に終止符を打った。藤井竜王はこれで6冠達成となり、完全制覇に残すは名人・王座の2冠のみとなった。

番勝負負けなしの中には、渡辺名人・棋王とのタイトル戦も含まれる。誰にも負けていないのだから渡辺棋王にも負けていないが、それにしても豊島・永瀬と比べると土俵の割り方があっけないという印象があった。

しかし、今回の棋王戦では、勝敗は別として熱戦が多かった。第3局は終盤に入って形勢が二転三転したし、第4局は1分将棋になるまで評価値に大きな差がつかなかった。これをどうみるかである。

渡辺名人に好意的にみれば、対藤井戦略が徐々に整ってきて、勝負できる局面までもってくることが可能になったということになる。

五番勝負を通じて、これまでのように中盤早々に藤井優勢という状況が少なくなり、1手違いでお互いミスが許されないところまで差を縮めてきたようにみえる。そしてその状況で1分将棋となれば、藤井竜王といえどもミスはするのである(下図)。

逆に藤井竜王寄りにみれば、持ち時間の少ない1日制だからそうなったので、2日制で時間があればそこまで追い込まれることはないということになる。

藤井竜王はタイムマネージメントが巧みで、かつて1分将棋で広瀬八段に即詰みを食らってから、できるだけ持ち時間を残すようにしてきた。今回も、最終第4局で最後の1分まで使わず、ここぞという場面で読みをいれて決めた。

両者とも、念頭にあるのは目の前の1局ではなく来月から始まる名人戦である。注目度は棋王戦よりも上だし、マスコミも過熱してくるだろう。

渡辺名人としては、何とか打倒藤井の糸口をみつけたかった棋王戦だが、おそらく本人としては手ごたえを感じているだろう。逆に藤井竜王としては、今回の苦戦を教訓に、さらに工夫を重ねてくるに違いない。

藤井竜王の番勝負不敗がつづくのか、渡辺名人の逆襲なるのか、答えはまもなく始まる名人戦で出る。

p.s. 将棋記事のバックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

kiou_48_3.png
第48期棋王戦五番勝負第3局。今後長らく語り草になりそうな藤井竜王の詰み逃し。▲2五歩で詰みと解説陣も指摘していたが、▲2六飛と走り再逆転。お互い1分将棋で、数手前に逆転した局面だったからやむを得ないところか。

プロフィール

taipa

Author:taipa
 

6年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

過去のnifty(2005-2014)、忍者(2014-2018)、当サイト(2018- )の2022年3月以前のブログ記事は、下のリンクからホームページでご覧いただけます。

カレンダー

05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -