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第72期王将戦七番勝負・藤井王将4-2で初防衛

第72期王将戦七番勝負(2023/1/8-3/12)
藤井聡太王将 4-2 羽生善治九段

今回の王将戦、レジェンド羽生永世七冠とのおそらく最後の七番勝負である。しかも二日制の長丁場ということで、藤井王将はなぜ羽生九段が99ものタイトルを獲れたのか、確かめたい気持ちがあったのではないかと思う。

というのは、第二局や第四局の指し方は、どうみても勝利を最優先にしたものではなかったからである。相撲に例えると、左四つの力士があえて相手十分の右四つに組ませ、巻き替えもせず相手の土俵で戦ったように見えたからである。

そして、七番勝負を通じて、羽生九段の読みにない手をあえて指した。これは、羽生九段が著書で「可能性のある手をすべて読むことはできない。2、3手に絞って深く読む」という趣旨のことを述べていたからだと思う。

相手が読んでいない手はAIの選択肢の中でも上位ではなく、指した瞬間評価値が急激に下がる。しかし、AIが数億手読んでいるうちに評価値が戻って来る。藤井竜王がそれだけ深く研究しているということである。

藤井竜王・王将がおそらくいま考えているのは、自分得意の形に持ち込んで勝つのは当り前。相手の土俵でも勝てなければ長期政権はありえないということである。

そして、AIを研究に使っていれば、いま現在定跡として確立している手から外れなければ、AI並みには勝てないと感じているはずである。

これまでタイトル戦線で活躍した棋士達がどういう将棋を指すのかは見当がつく。それよりも、これから出てくる未来の棋士達が、AIを研究素材にどのような将棋を組み立ててくるのか、藤井竜王・王将の関心はそこにあると思う。

現時点では、AI同士の対局のようなノーガードの打ち合いになる将棋は人間には指せないが、もしかするとそれを指しこなす棋士が現れるかもしれない。藤井竜王・王将はそこまで考えているのではないだろうか。

※ 王将戦ガイドラインにより、途中図の掲載はできません。

p.s. 将棋記事のバックナンバーはこちら。軽量化工事直後なので、不具合あればご容赦ください。

ousho_72.png
第72期王将戦は、藤井王将が4勝2敗で初防衛を果たした。レジェンド羽生を挑戦者に迎え、藤井王将はあえて最善手でない、読みを外す手を指していたように思える。

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Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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