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カネロ、スーパーミドル級挑戦

WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ(2018/12/15、ニューヨークMSG)
ロッキー・フィールディング(27勝15KO1敗) 10.0倍
カネロ・アルバレス(50勝34KO1敗2引分け) 1.06倍

ドーピング疑惑のあるカネロの試合はあまり予想したくないのだが、いきなりスーパーミドルに上げるという選択の背景には興味がある。

ドーピングについては、抜いているかどうかは別問題として(抜かないとGGG戦はできなかっただろう)、カネロが意図的に何かしていたのはほぼ間違いない。2、3年前とは顔かたち、筋肉の付き方が違うし、今回スーパーミドルに上げて戦うというのも傍証になりそうだ。

というのは、オルランド・サリド、レイムンド・ベルトラン、ルイス・ネリのいずれも、トーピング陽性の後にはウェイトを作れなかったからである。カネロがGGG戦からわずか3ヵ月でこの試合に臨むという点から考えて、ミドル級ではウェイトが作れなかったのではないかと思っている。

そもそも、カネロの主戦場はスーパーウェルター級であり、メイウェザーと戦った時は2ポンドアンダーの152ポンドキャッチウェイトで戦っていた。ミドル級タイトルがかかったコットやアミール・カーンとはスーパーウェルターに近いキャッチウェイトであり、結局ミドル級で戦ったのはGGGのみ、スーパーミドルに至ってはチャベスJr.だけである。

そのカネロが、なぜミドル級で戦わずにスーパーミドルに上げるのか。一つは、チャーロ兄とやるよりリスクが少ないとみているからだろう。率直に言って、WBSSのスーパーミドルはかつてのSuper6と比べて相当レベルダウンしていて、カラム・スミスがアンドレ・ウォードより強いと思う人はいないだろう。ましてや、カラム・スミスにKO負けしているフィールディングでは尚更である。

もう一つは上に述べた体調面の問題である。GGGの強打に対応するため何らかの対策をとったカネロは、おそらくドーピングなしでミドル級のウェイトは作れない。となれば、スーパーミドルで手頃な相手を選ぶ他ないのである。

そのカネロの思惑がそのまま通用するかどうか。まず一つ目の懸念は、ドーピングをした連中はウェイトを上げてもあまり良績を上げていないことである。サリドはミゲル・ローマンにめった打ちを食らってKO負けしたし、ベルトランはロマチェンコ戦までたどり着けなかった。ネリに至ってはスーパーバンタムに上げることができない。

ドーピング懸念を抜きにしても、ミドル級からスーパーミドル級の8ポンドはそんなに簡単ではない。スーパーミドル級の層が厚くなって以降、この間の転級を難なくこなしたのはロイ・ジョーンズくらいで、ジャーメイン・テイラーもアーサー・アブラハムもうまくいかなかった。ホプキンスでさえ、ジョー・カルザゲには敗れている。

つまり、ミドル級からスーパーミドル級への転級が無理なくできるのは、さらにその上のライトヘビー級でも通用するだけのキャパシティを持っている選手ということである。カネロがライトヘビーで通用するとは思えないので、スーパーミドルだってそう簡単ではないということである。

もう一つ、ロッキー・フィールディングがそんな簡単な選手かということである。確かに、カラム・スミス戦のKO負けは減点材料とせざるを得ないが、無敗のタイロン・ツォイゲをKOしてタイトルを取ったという点はかなり評価できるのではないだろうか。

現在のスーパーミドル級はカラム・スミスとヒルベルト・ラミレス、ホセ・ウスカテギといったところがチャンピオンで、それほど圧倒的な存在感はないけれども、それぞれ体格がよくて体力があるという共通点がある。もともとの骨格がスーパーウェルターのカネロが、そう簡単に突破できるクラスではないように思う。

勝敗は予想しないが、判定決着に1枚。(ちなみに、カネロ判定4.5倍、ロッキー判定34倍、引分け34倍)

p.s. ボクシング観戦記のバックナンバーはこちら

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taipa

Author:taipa
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