山歩き再開は雨引山・燕山(後編)
- 2022/10/27
- 05:15
雨引山を過ぎて燕山まで、ハードな道だということは前回歩いて分かっていた。
一緒に歩いたおじいさんが「ここはいつも整備してくている人がいるんだ」と言っていたように、雨引山までは刈り払いもされているし、手作りのベンチも何ヶ所か置かれている。そういった手入れが、雨引山を過ぎるとなくなるのだ。
関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)であることは雨引山の前でも後でも変わりないから、もともと茨城県の整備は雨引山の後程度しかやっていなくて、それだけ地元の人が立派だということなんだろう。
雨引山から少し下って、雨引観音への分岐を過ぎると、いよいよ燕山への尾根道である。燕山までは5.1kmある。平地であれば5kmくらい何でもないが、この尾根道は結構なアップダウンがある。
今回車で岩瀬まで来て改めて見たのだが、雨引山から燕山までの稜線はピークが4つ5つあって、なだらかという見た目ではない。すべてピークを通る訳ではなくほとんど巻くのだが、それでも起伏は激しい。
帰ってから調べたところ、この日の最高到達点・燕山は700mそこそこの標高なのに、累積標高差は1000mを超えている。それだけ、ハードな道なのであった。
そして、尾根道にもかかわらず、展望がほとんど開けないのもつらいところである。左右は笹原でただでさえ見通しがない上に、笹原の向こう側も雑木林である。足元はイノシシがほじくったと思われる穴だらけであった。
標高400mくらいでのびやかな尾根道を期待するのが間違っているかもしれないが、この稜線でも足尾山あたりの方がずっと眺めがいい。舗装して林道になった方が、かえって自然を満喫できるというのも皮肉だ。
あと、たいへん気になったのは、燕山への登りにかかるあたりで、マウンテンバイクの轍の跡が掘れていて、たいへん歩きにくいことである。
地盤が赤土で粘土のようになっていて滑りやすい上に、唯一歩ける場所がタイヤの轍で掘れている。タイヤの幅は登山靴の幅くらいしかなく、綱渡りのようにして進む。
平らな場所はそれで何とかなるけれども、斜面では登山靴でも滑る。もともとタイヤの跡すら残らないつるつるになっているのに、左右の地面もまた滑る。とても「自然歩道」とはいえない。「二輪車禁止」の貼り紙はあるけれど、カエルの面になんとかである。
タイヤの跡は左(東)に逸れて行ったから、八郷方向から来ているのだろうか。そういえば、自然歩道をマウンテンバイクのコースにしてしまった仏頂山・高峯もここから距離的にすぐの場所である。
マウンテンバイクの跡を見送って登山専用道を登ると、やがて燕山への最後の登りが始まる。「燕山1.1km」の標識の先あたりからだが、遠目で見ても結構急傾斜の、骨の折れる登りである。
急傾斜は階段の後、急坂、急階段、急坂、急階段と続き、やや緩斜面の後、ロープのある急坂、急階段と続く。登り始めは雨引山と大差ない400mほどなので、標高差まるまる300mを登ることになるのだ。
その後もうひと登りしてようやく花の入公園に向かう踏み跡を過ぎ、燕山山頂である。山頂では、単独行のシニアがお昼を食べているところだった。ちょうど12時、雨引山から2時間半かかった。
(この項続く)
p.s. 「中高年の山歩き」、バックナンバーはこちら。

雨引山を過ぎると道の状態が悪くなる。笹林がほとんどで展望もない。足元はイノシシがほじくった跡がたくさん。

「二輪車禁止」の国有林にもかかわらず、タイヤの跡だらけ。赤土で滑るので、登る人はたいへんである。

燕山への最後の登りの始まり。1kmで300m標高を上げるから、かなりの急傾斜。
一緒に歩いたおじいさんが「ここはいつも整備してくている人がいるんだ」と言っていたように、雨引山までは刈り払いもされているし、手作りのベンチも何ヶ所か置かれている。そういった手入れが、雨引山を過ぎるとなくなるのだ。
関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)であることは雨引山の前でも後でも変わりないから、もともと茨城県の整備は雨引山の後程度しかやっていなくて、それだけ地元の人が立派だということなんだろう。
雨引山から少し下って、雨引観音への分岐を過ぎると、いよいよ燕山への尾根道である。燕山までは5.1kmある。平地であれば5kmくらい何でもないが、この尾根道は結構なアップダウンがある。
今回車で岩瀬まで来て改めて見たのだが、雨引山から燕山までの稜線はピークが4つ5つあって、なだらかという見た目ではない。すべてピークを通る訳ではなくほとんど巻くのだが、それでも起伏は激しい。
帰ってから調べたところ、この日の最高到達点・燕山は700mそこそこの標高なのに、累積標高差は1000mを超えている。それだけ、ハードな道なのであった。
そして、尾根道にもかかわらず、展望がほとんど開けないのもつらいところである。左右は笹原でただでさえ見通しがない上に、笹原の向こう側も雑木林である。足元はイノシシがほじくったと思われる穴だらけであった。
標高400mくらいでのびやかな尾根道を期待するのが間違っているかもしれないが、この稜線でも足尾山あたりの方がずっと眺めがいい。舗装して林道になった方が、かえって自然を満喫できるというのも皮肉だ。
あと、たいへん気になったのは、燕山への登りにかかるあたりで、マウンテンバイクの轍の跡が掘れていて、たいへん歩きにくいことである。
地盤が赤土で粘土のようになっていて滑りやすい上に、唯一歩ける場所がタイヤの轍で掘れている。タイヤの幅は登山靴の幅くらいしかなく、綱渡りのようにして進む。
平らな場所はそれで何とかなるけれども、斜面では登山靴でも滑る。もともとタイヤの跡すら残らないつるつるになっているのに、左右の地面もまた滑る。とても「自然歩道」とはいえない。「二輪車禁止」の貼り紙はあるけれど、カエルの面になんとかである。
タイヤの跡は左(東)に逸れて行ったから、八郷方向から来ているのだろうか。そういえば、自然歩道をマウンテンバイクのコースにしてしまった仏頂山・高峯もここから距離的にすぐの場所である。
マウンテンバイクの跡を見送って登山専用道を登ると、やがて燕山への最後の登りが始まる。「燕山1.1km」の標識の先あたりからだが、遠目で見ても結構急傾斜の、骨の折れる登りである。
急傾斜は階段の後、急坂、急階段、急坂、急階段と続き、やや緩斜面の後、ロープのある急坂、急階段と続く。登り始めは雨引山と大差ない400mほどなので、標高差まるまる300mを登ることになるのだ。
その後もうひと登りしてようやく花の入公園に向かう踏み跡を過ぎ、燕山山頂である。山頂では、単独行のシニアがお昼を食べているところだった。ちょうど12時、雨引山から2時間半かかった。
(この項続く)
p.s. 「中高年の山歩き」、バックナンバーはこちら。

雨引山を過ぎると道の状態が悪くなる。笹林がほとんどで展望もない。足元はイノシシがほじくった跡がたくさん。

「二輪車禁止」の国有林にもかかわらず、タイヤの跡だらけ。赤土で滑るので、登る人はたいへんである。

燕山への最後の登りの始まり。1kmで300m標高を上げるから、かなりの急傾斜。