NFL2022 レギュラーシーズン中盤展望(NFC)
- 2022/10/22
- 05:15
2022年のNFLも、開幕から6週間が経過した。早くもバイウィークのチームが出てきて、いよいよこれから中盤戦である。
序盤戦の大きな話題はレフェリーだった。開幕早々、タゴヴァイロアはじめハードヒットを受けたQBの故障が目立ち、やむを得ないところもあるのだが、Week5のラフィング・ザ・パサーのコールにはゲームの興趣が殺がれた。
ブレイディが地面に叩きつけられたプレイは、まあGOATだし40過ぎのプレイヤーにUnnessesaryだよねと分からないでもないが、結果としてあれでゲームが終わってしまった。
だが、マンデーナイトのクリス・ジョーンズのデレク・カーへのサック&ファンブルリカバーを反則にとるのはいただけない。あの場面、サックの時点では「不必要な」ラフプレーではないし、ファンブルしたのでボールを奪いに行っただけである。ポケットにいたからQBは保護されるというのなら、ポケットでのサックはすべてラフプレーになる。
そして、マホームズとかアレン、ラマー・ジャクソンがポケットから出るのを待っていたら手遅れである。だったら、ディフェンスが触ったらすぐ笛を吹いてサックにしなければ筋がとおらないだろう(タッチフットボールだ)。
さて、中盤戦展望はまずNFCから。[ ]内はCBS算出のプレイオフ進出確率。
暫定第1シード フィラデルフィア・イーグルス(6-0) [99%]
驚くべきことに、東地区の3チームが突っ走っている。2年前の2020シーズンは4チーム合わせて年間23勝、7勝9敗のワシントンが地区優勝したのに、今シーズンはすでに17勝。地区内対決はどちらかが勝つから、すでに一昨年の勝ち星を上回ることが確定した。
イーグルスは開幕6連勝。地区内対決が楽勝とはいえないのが例年と違う所だが、シカゴやヒューストンが残っているのでプレイオフはほぼ当確だろう。こうなってみると、ウェンツを見限ったチームの選択は正しかったということである。
暫定第2シード ミネソタ・ヴァイキングス(5-1) [94%]
北地区はヴァイキングスが順調に勝ち星を積み上げている。すでにパッカーズに1勝しているので、実質2.5ゲーム差をつけて地区首位で、かなり有望だ。先週のドルフィンズ戦もディフェンスが健闘して強い時のヴァイキングスが戻ってきた。
長らく続いたマイク・ジマー体制から、オコネルHC、フィリップスDCの若いコーチ陣に代わった。オコネルはペイトリオッツでブレイディの控えを1年、昨年はラムズのOCを務めた。フィリップスDCはあのウェイド・フィリップスの息子。いかにも何かやりそうな組合せだ。
暫定第3シード タンパベイ・バッカニアーズ(3-3) [93%]
3勝3敗とあまりいいスタートとはいえないが、ファルコンズに「ラフィング・ザ・パサー判定」で辛くも逃げ切ったバッカニアーズが暫定第3シード。
先週のピッツバーグ相手の負けはいただけないがアウェイだったし、あとの2敗はグリーンベイとKCだから悲観する必要はなさそうだ。ベテランが多いのでこれから調子を上げてくるだろう。
暫定第4シード サンフランスコ・49ナース(3-3) [82%]
西地区は3チームが同率で並んでいるが、地区内成績で49ナースが暫定第4シード。主戦QBはトレイ・ランスの予定だったが、故障して今年はガロポロのまま。慣れているのでかえって安定しているように見える。
とはいえ、勝ち星はまだ五分だから、連敗すれば一気に圏外まで脱落する。今週からの相手はKC、ラムズ、チャージャース。暫定順位が高いのも今週までではないかという心配があり、CBSのプレイオフ82%は買被りだろう。
暫定第5シード ニューヨーク・ジャイアンツ(5-1) [80%]
ジャイアンツが久々に勝ち越している。テネシーに勝ったのはたまたまかと思ったら、ロンドンでグリーンベイを下し、レイヴンスを4Qに逆転した。ダニエル・ジョーンズに目途が立ったのは大きい。
残り試合にテキサンズ、ジャガース、ライオンズが含まれるので、地区内ライバルに大きく負け越さなければイーライ以来久々のプレイオフにたどり着けそうだ。ただ、地区優勝まではちょっと厳しいかもしれない。
暫定第6シード ダラス・カウボーイズ(4-2) [92%]
カウボーイズも4勝2敗でプレイオフ圏内にいる。このチームの場合、開幕早々プレスコットがケガで欠場、控えQBのクーパー・ラッシュでこの成績というのは大したものである。
プレスコットが戻れば2年連続地区優勝も望めるが、このままだとプレイオフは微妙。ただし、同地区他チームと同様、テキサンズ、ジャガーズ、ライオンズ、ベアーズを残すスケジュールは恵まれている。
暫定第7シード ロサンゼルス・ラムズ(3-3) [33%]
地区首位の2チームの他に、3勝3敗が4チームいる。現時点で第7シードになるのはSuperbowl Championのラムズである。
スタッフォードが昨シーズンほどの冴えがみられないのは、年齢による衰えもあるかもしれない。それより心配なのはディフェンスで、ボン・ミラーがいなくなってアーロン・ドナルドへのマークがきつくなったことだ。
In the hunt 0ゲーム グリーンベイ・パッカーズ(3-3) [53%]、アトランタ・ファルコンズ(3-3) [12%]、シアトル・シーホークス(3-3) [22%]
ラムズと同率で3チーム。この中には北地区で首位独走かと思われたパッカーズが含まれている。ジャイアンツにロンドンで負けたのはともかく、ジェッツに完敗したのは変調。ロジャースのことだから巻き返してくるだろうが。
マリオタのファルコンズ、ジーノ・スミスのシーホークスがどこまでこの位置を確保できるかは微妙。正直なところ、オッズどおり単勝万馬券のチームだとは思う。
In the hunt 1ゲーム ワシントン・コマンダース(2-4) [3%]、シカゴ・ベアーズ(2-4) [2%]、ニューオーリンズ・セインツ(2-4) [12%]、アリゾナ・カーディナルス(2-4) [17%]
2勝4敗といまひとつのスタートを切ったのは4チーム。この中には、開幕前にSuperbowlまで期待したカーディナルスが含まれている。立ち遅れの原因はDホプキンスの出場停止で、彼が戻るWeek7以降の巻き返しに期待したい。
コマンダース、ベアーズ、セインツは予想されたとおりのスタート。コマンダースはただでさえ頼りないウェンツが指を骨折してしまった。セインツもドールトンでブリーズの代わりは務まらない。
Almost Eliminated デトロイト・ライオンズ(1-4) [3%]、キャロライナ・パンサーズ(1-5) [1%]
現時点ですでに出遅れているのはライオンズとパンサーズ。パンサーズは早くも指揮官が更迭されてしまった上に、オフェンスを一人で支えていたマキャフリーを49ナースにトレード、早くも今年はあきらめモードである。
(この項続く)
p.s. NFL関連記事のバックナンバーはこちら。今シーズンの日程と星取表もあります。

イーグルスが6連勝で暫定トップをひた走る。同じ東地区のジャイアンツ、カウボーイズも好調で、2年前に全チームが負け越したことを思うと短期間にチームが改善されたのを感じる。
序盤戦の大きな話題はレフェリーだった。開幕早々、タゴヴァイロアはじめハードヒットを受けたQBの故障が目立ち、やむを得ないところもあるのだが、Week5のラフィング・ザ・パサーのコールにはゲームの興趣が殺がれた。
ブレイディが地面に叩きつけられたプレイは、まあGOATだし40過ぎのプレイヤーにUnnessesaryだよねと分からないでもないが、結果としてあれでゲームが終わってしまった。
だが、マンデーナイトのクリス・ジョーンズのデレク・カーへのサック&ファンブルリカバーを反則にとるのはいただけない。あの場面、サックの時点では「不必要な」ラフプレーではないし、ファンブルしたのでボールを奪いに行っただけである。ポケットにいたからQBは保護されるというのなら、ポケットでのサックはすべてラフプレーになる。
そして、マホームズとかアレン、ラマー・ジャクソンがポケットから出るのを待っていたら手遅れである。だったら、ディフェンスが触ったらすぐ笛を吹いてサックにしなければ筋がとおらないだろう(タッチフットボールだ)。
さて、中盤戦展望はまずNFCから。[ ]内はCBS算出のプレイオフ進出確率。
暫定第1シード フィラデルフィア・イーグルス(6-0) [99%]
驚くべきことに、東地区の3チームが突っ走っている。2年前の2020シーズンは4チーム合わせて年間23勝、7勝9敗のワシントンが地区優勝したのに、今シーズンはすでに17勝。地区内対決はどちらかが勝つから、すでに一昨年の勝ち星を上回ることが確定した。
イーグルスは開幕6連勝。地区内対決が楽勝とはいえないのが例年と違う所だが、シカゴやヒューストンが残っているのでプレイオフはほぼ当確だろう。こうなってみると、ウェンツを見限ったチームの選択は正しかったということである。
暫定第2シード ミネソタ・ヴァイキングス(5-1) [94%]
北地区はヴァイキングスが順調に勝ち星を積み上げている。すでにパッカーズに1勝しているので、実質2.5ゲーム差をつけて地区首位で、かなり有望だ。先週のドルフィンズ戦もディフェンスが健闘して強い時のヴァイキングスが戻ってきた。
長らく続いたマイク・ジマー体制から、オコネルHC、フィリップスDCの若いコーチ陣に代わった。オコネルはペイトリオッツでブレイディの控えを1年、昨年はラムズのOCを務めた。フィリップスDCはあのウェイド・フィリップスの息子。いかにも何かやりそうな組合せだ。
暫定第3シード タンパベイ・バッカニアーズ(3-3) [93%]
3勝3敗とあまりいいスタートとはいえないが、ファルコンズに「ラフィング・ザ・パサー判定」で辛くも逃げ切ったバッカニアーズが暫定第3シード。
先週のピッツバーグ相手の負けはいただけないがアウェイだったし、あとの2敗はグリーンベイとKCだから悲観する必要はなさそうだ。ベテランが多いのでこれから調子を上げてくるだろう。
暫定第4シード サンフランスコ・49ナース(3-3) [82%]
西地区は3チームが同率で並んでいるが、地区内成績で49ナースが暫定第4シード。主戦QBはトレイ・ランスの予定だったが、故障して今年はガロポロのまま。慣れているのでかえって安定しているように見える。
とはいえ、勝ち星はまだ五分だから、連敗すれば一気に圏外まで脱落する。今週からの相手はKC、ラムズ、チャージャース。暫定順位が高いのも今週までではないかという心配があり、CBSのプレイオフ82%は買被りだろう。
暫定第5シード ニューヨーク・ジャイアンツ(5-1) [80%]
ジャイアンツが久々に勝ち越している。テネシーに勝ったのはたまたまかと思ったら、ロンドンでグリーンベイを下し、レイヴンスを4Qに逆転した。ダニエル・ジョーンズに目途が立ったのは大きい。
残り試合にテキサンズ、ジャガース、ライオンズが含まれるので、地区内ライバルに大きく負け越さなければイーライ以来久々のプレイオフにたどり着けそうだ。ただ、地区優勝まではちょっと厳しいかもしれない。
暫定第6シード ダラス・カウボーイズ(4-2) [92%]
カウボーイズも4勝2敗でプレイオフ圏内にいる。このチームの場合、開幕早々プレスコットがケガで欠場、控えQBのクーパー・ラッシュでこの成績というのは大したものである。
プレスコットが戻れば2年連続地区優勝も望めるが、このままだとプレイオフは微妙。ただし、同地区他チームと同様、テキサンズ、ジャガーズ、ライオンズ、ベアーズを残すスケジュールは恵まれている。
暫定第7シード ロサンゼルス・ラムズ(3-3) [33%]
地区首位の2チームの他に、3勝3敗が4チームいる。現時点で第7シードになるのはSuperbowl Championのラムズである。
スタッフォードが昨シーズンほどの冴えがみられないのは、年齢による衰えもあるかもしれない。それより心配なのはディフェンスで、ボン・ミラーがいなくなってアーロン・ドナルドへのマークがきつくなったことだ。
In the hunt 0ゲーム グリーンベイ・パッカーズ(3-3) [53%]、アトランタ・ファルコンズ(3-3) [12%]、シアトル・シーホークス(3-3) [22%]
ラムズと同率で3チーム。この中には北地区で首位独走かと思われたパッカーズが含まれている。ジャイアンツにロンドンで負けたのはともかく、ジェッツに完敗したのは変調。ロジャースのことだから巻き返してくるだろうが。
マリオタのファルコンズ、ジーノ・スミスのシーホークスがどこまでこの位置を確保できるかは微妙。正直なところ、オッズどおり単勝万馬券のチームだとは思う。
In the hunt 1ゲーム ワシントン・コマンダース(2-4) [3%]、シカゴ・ベアーズ(2-4) [2%]、ニューオーリンズ・セインツ(2-4) [12%]、アリゾナ・カーディナルス(2-4) [17%]
2勝4敗といまひとつのスタートを切ったのは4チーム。この中には、開幕前にSuperbowlまで期待したカーディナルスが含まれている。立ち遅れの原因はDホプキンスの出場停止で、彼が戻るWeek7以降の巻き返しに期待したい。
コマンダース、ベアーズ、セインツは予想されたとおりのスタート。コマンダースはただでさえ頼りないウェンツが指を骨折してしまった。セインツもドールトンでブリーズの代わりは務まらない。
Almost Eliminated デトロイト・ライオンズ(1-4) [3%]、キャロライナ・パンサーズ(1-5) [1%]
現時点ですでに出遅れているのはライオンズとパンサーズ。パンサーズは早くも指揮官が更迭されてしまった上に、オフェンスを一人で支えていたマキャフリーを49ナースにトレード、早くも今年はあきらめモードである。
(この項続く)
p.s. NFL関連記事のバックナンバーはこちら。今シーズンの日程と星取表もあります。

イーグルスが6連勝で暫定トップをひた走る。同じ東地区のジャイアンツ、カウボーイズも好調で、2年前に全チームが負け越したことを思うと短期間にチームが改善されたのを感じる。