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百科事典 ~半世紀前の話32

いまから半世紀前、百科事典はたいていの家にあった。「あ-かょ」とか何のことだろうと思っていたのだが、家にも置かれるようになって、五十音のどこからどこまで載っているかを示すことと分かった。

子供達の中には、「世界少年少女文学全集」みたいな本を揃えている家もあったが、どちらかというと教育熱心な家庭であった。基本的に、子供しか読まないからである。百科事典は大人も読むので、文学全集より利用者層が広い。

いまでは図書館でしか見かけないが、置かれている百科事典には昭和40~50年代のものが多い。その頃、図書館とか学校だけでなく各家庭でも購入されたので、出版社も採算に合ったのだろう。いい時代である。

けっこう厚手のいい紙(アート紙)で作られていたのは、項目の多くに写真とか図表が付いていたからだと思う。なるべく汚さないように見るのだが、子供の手だからすぐに黒ずんでしまうのは悲しいことであった。

「そのうち、こんな厚手でかさばる百科事典はいらなくなる」と言われ出したのは、まだ昭和が終わる前のことであった。当時、出始めのパソコン(NECの88、99シリーズとか)が市場に現われ、フロッピーディスクなどの記憶媒体も急速に小型化・高容量化しつつあった。

アナログレコードがCDに代わったのも、この時期である。レーザーディスクになると、音だけでなく動画も大量に収納できた。大きくて重くて厚い百科事典でなくても、それらの記憶媒体に記事は収納できるし、検索も容易なのはわかり切ったことであった。

百科事典と同様、今後は紙からソフトに切り替わるだろうと言われていたのが、新聞・雑誌・書籍である。

雑誌はすでにかなりの数廃刊となり、新聞も急激に部数を減らしている。日本の人口が減っているのだから当り前といえば当り前である。書籍もいまのところe-Bookへのシフトは大きくはないけれども、いずれ書籍や書店の役割が薄れていくのは避けられないだろう。

いまでは、百科事典の機能はWikipediaが十分に果たしている。Wikipediaの記事を書いている人のほとんどはボランティアで、原稿料がもらえない代わりに好きなように書くことができる。最新内容への更新もあっという間である(死亡記事だって1日かからない)。

便利である反面、Wikipediaに書かれている内容は誰の文責でもないし、本当のことかどうか保証されない。そうしたことはネットの不備として説明されることが多いのだが、個人的には知識なんてもともとそんなものと思う。

学会や大学教授が支持している通説だからといって、正しいことかどうか分からない。本来、99%の安全性を求められる医療や健康に関する通説にしても、ここ数年でいくつひっくり返されたか分からない。

活字で印刷されて本にするよりも、ネット上のテキストとして現時点の暫定的なものとしてもらった方が、かえっていいような気もする。

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高度成長期に各家庭で揃えた書物のひとつに百科事典があった。いまでは、図書館でしか見かけない。

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