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記事一覧

アニル・アナンサスワーミー「私はすでに死んでいる」

原題はThe Man who wasn't There。「そこにいなかった人」という意味だが、邦題はもちろん「北斗の拳」を意識している。もう40年以上昔の連載なのに、いまだに目に止まるだけのインパクトがあるのには驚く。最初は精神病の不思議な実例集みたいなものかと思って読み始めたのだが、さすがに2016年の著作だけあって、内容は精神疾患と「自分」という意識に関することである。かつて精神病といわれていた疾患が、実は脳の器質的な疾患...

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月本洋「日本人の脳に主語はいらない」

たいへん難解で、1度読んだだけでは中身が頭に入ってこない。2度3度繰り返し読んでようやく内容が(半分くらい)理解できる。しかしながら、最新の脳の知見を取り入れた、サジェスチョンに富む本である。著者は1955年生まれというから、私より2つ上になる。東大工学部を出て、執筆当時(2008年)は東京電機大学教授。題名からすると、英語と日本語の比較文化論かと思ってしまうが、そんな簡単なものではない。著者によれば、文法...

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ビル・パーキンス「DIE WITH ZERO」(続き)

著者の考え方は基本的に私と同じだが、違うところもある。将来収入が増えるのなら、借金してでも経験を積めと主張するが、予想(期待)どおり上がるかどうかは確率の問題である。アメリカのように、朝出勤したらデスクが片づけられていてリストラされていたなんてことが珍しくない国で、見込み収入を資金計画に組み込むようなハイリスクなことは私はできない。それを本にして多くの人達に知らせようという志は見上げたものだが。そ...

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ビル・パーキンス「DIE WITH ZERO」

たまに、世の中が自分に追いついてきたと感じることがある。この本は図書館で予約待ちをするくらい注目されているのだが、読んでみると私が以前から思っていたことがほとんどであった。「DIE WITH ZERO」とは、死んだ後におカネを残したって意味がない。子供に残すにせよ福祉事業に使うにせよ、必要なものなら生きているうちに贈与すべきである。タイミングを逸しては意味がないということである。文字通り「ゼロで死ね」が分かり...

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角田文衛「待賢門院璋子の生涯」

鳥羽天皇の中宮になってからも待賢門院は「法皇の愛人」が主業務であったようで、年のうち半分は院の御所に戻っていたことが確認できる。(ちなみに、院はすでに60~70代だが、他にも愛人がいた)しかも、生理期間中は内裏にいて、終わると院の御所に戻るということを繰り返していた(普通は逆)。そういう時、何ヶ所も御所のある白河法皇も必ず戻ってきているので、貴族の日記にもご寵愛が過ぎるみたいに書かれてしまうのである。...

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プロフィール

taipa

Author:taipa
 

7年前にリタイア、気ままな年金生活を送っています。

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