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WBAウェルター マティセvsパッキャオ

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ(7/15、クアラルンプール)
Oルーカス・マティセ(39勝36KO4敗)2.7倍
   マニー・パッキャオ(59勝38KO7敗2引分け)1.6倍

ただでさえ格下とみられるWBA正規王者のタイトルマッチで、出て来るのが昔の名前で出ていますの二人である。5~6年前ならビッグマッチだったかもしれないが、いま現在この二人がクロフォードと戦ったらホーンと同じことになるだろう。いつまでもこのレベルの試合に大金を払っていてはいけない。

先日WOWOWで、フランプトンとドネアの試合を見た。正直言って、見るに堪えなかった。ドネアの全盛期は精一杯長くみてもニコラス・ウォータースに負けた時(2014年)までであり、それ以降は世界一線級の力はない。フェザー級でパワーの違いに苦しむならともかく、フランプトンのスピードに圧倒されていた。これ以上晩節を汚すべきではないだろう。

そのドネアが、最後に世界タイトルを失ったのがWBOのスーパーバンタム級で、相手はジェシー・マグダレノであった。この選手もたいしたことはないと思っていたら、案の定、アイザック・ドグボエにKOされてタイトルを失った。

こうしてみると、パッキャオとドネア、重なるところが多い。複数階級を鮮やかに制覇していたのも同じなら、スピードもパワーも落ちているのに引退せず戦い続けるところも同じ。それでも世界タイトルマッチをやれるだけポンサクレックよりもましと考えられなくもないが、戦う相手がどんどんレベルダウンしているのは、見ていて悲しい。

パッキャオが最後にタイトルを失ったジェフ・ホーンは、クロフォードに全く歯がたたなかった。ホーンとマグダレノ、捲土重来がないとは言い切れないが、私はその可能性はきわめて低いと思っている。その伝でいけば、フランプトンに歯がたたなかったドネアと同様、パッキャオはマティセとは差があっておかしくないのだが、そう言い切れない要素もあることはある。

というのは、マティセはフランプトンとは違って、こちらもまたとっくにピークを過ぎた選手のように思えるからである。王座決定戦のティーラチャイ・テワ・キラム戦もやっとこさ勝ったという印象であり、ウンベルト・ソトやレイモント・ピーターソンを一蹴した頃の迫力は感じられなかった。

それこれ考え合わせると、このくらいのオッズになることはやむを得ないのかもしれないが、私には39歳パッキャオのFavoriteを買うことはできない。もちろん、パッキャオの動きにマティセがついていけないケースも十分考えられるのだが、Underdogならマティセを推したい。

マティセがこれまで喫した4敗の相手はすべてテクニシャンで、素早く動かれて空転したままラウンドを重ねるケースである。スウィフト・ガルシアは前半打ち合いに来て、そこまでは引けを取らなかったが後半動かれてペースを取り返された。パッキャオは基本的に攻撃型の選手であり、もちろんディフェンスは巧みだが動き回るタイプではない。

一方のパッキャオ。ハードパンチャーとの対戦はクラスを上げてからはそれほど多くはなく、リッキー・ハットンあたりが最後だったと思う。その後に戦ったコットは本調子になかったし、マルガリトに至っては動きの速さに雲泥の差があった。一発食ったら終わりという相手との対戦は、しばらくしていない。

そして、フレディ・ローチから離れて、果たしてパッキャオの調整が以前のように行くのかどうか。ライト級より重いクラスでパッキャオが戦えたのは、ローチの力が大きかったとみているので、その点はかなりマイナスに評価される。

加えて私が心配しているのは、パッキャオ陣営がマティセになら勝てると踏んでいるところである。地元に近いマレーシアで凱旋試合をしたいのなら、もう少し安全な相手だっている。どうしても世界タイトル戦をしたいのなら、スーパーライトにだって落とせなくはないだろう。ウェルターで世界戦にこだわるから、マティセ以外に戦える相手はいないということになる。

それではマティセはそんなに弱いかというと、確かにクロフォードやエロール・スペンスには敵わないかもしれないが、現実にスウィフトとほぼ互角な試合をしていることを忘れてはならない。スウィフトはキース・サーマンと差がない。となると、そんなに弱くはないとみなくてはならない。もちろん、出来不出来のが大きく、テクニシャンに相性が悪いということはあるが。

ということで、私の予想はマティセKO勝ち。パッキャオは、こんな試合をするなら引退すべきだったのではというような、ドネアと同じような感想になるのではないかという懸念がたいへんに大きい試合である。

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